眩しいくらいに


夜中のうちに降った雪で浅井家の周りも真っ白。昨夜と打って変わって晴れ渡った空から降り注ぐ光が反射して思わず目を閉じた。いつもの通学路も人通りがまばらなせいで足が埋まるほど積もっている。市は足元がこんなに明るいと落ち着かないけど、長政様は変わらずなのね、と思ってたら足が滑った。
「市!雪の降ったあとは危ないと言っただろう!」
「ごめんなさい…」
言われたこともできないなんて…。でも、あなたのあたたかい腕で抱きとめられるのは大好きよ、長政様。立ったあとあなたも転びそうになって、同じように手を差し出そうと思っても市は力がないし、黒い腕は怖がられてしまうし。
何もできないと落ち込んでいたら、自分で立ち上がった長政様の手が市の手にそっと触れる。
「これ以上転ぶのはなしだ、市」
雪より眩しい笑顔に応えるように、市もぎゅっと手を握った。

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