茶葉が足りない
※腐男子茶々丸は下ネタ混ぜてくる変態です(告知)
俺の周りは自重しない奴が多すぎる。
ここは喫茶店で、公共の場だ。
溜め息と同時に愚痴ると、飛丸はくりっとした黒い瞳を瞬かせた。
相変わらず客足が途絶えるいい時間に来る。
「じちょーって何だ?社長より偉いのか?」
「自分が周りから浮いたクズだって認めることです。ボクは自重しないで生きてて幸せです」
違わないとは言わないけど。茶々丸、ドヤ顔をやめろ。そんな生き方1ミクロンも羨ましくない。
「あ」
カポ、と瓶を開けて溜め息が出た。しまった、忙しくて忘れてた。
「茶葉が足りない」
ホットドッグを頬張る飛丸をガン見するのを止め、茶々丸が顔を上げた。
パストラミサンドを口から離し、こてりと首を傾いだ。
「それは珍しいですね」
「まあね」
「少なくともボクは未開拓です」
「え?無いの?」
「はい。経験値は0ですね」
嘘だろ。紅茶飲んだことが無いなんて。
飛丸もでかいホットドッグに口を塞がれたまま、きょとんと茶々丸を見つめた。
本人は自分の髪が嫌いだと以前言っていたし、茶系の物が嫌いだったりするのかな。
茶々丸は綺麗な、紅茶色なのに。
「…美味しいぞ?」
「マスター勃ってのオススメなら新しい味も悪くないかもしれませんね」
「変な言い回しをやめろ」
「てへぺろ」
「無表情でそんなこと言う奴初めて見た」
けど、今度オススメ紹介して下さい、と少しわくわくした顔で言われ、自然と笑みが溢れる。
「茶々丸×葉月は予想外です。まあモノによってはCPが自分でも美味しくいただけるかもしれませんね」
「ソッチの茶葉じゃねーよ!!!!」
「お前ら何の話だよ、ばか?」
心底馬鹿にしたような憎たらしい顔の飛丸。馬鹿に馬鹿って言われたくないんだけど馬鹿。
「ボクと葉月くんの愛の共同作業の話です」
「自重しろ!!!!」
俺の悲鳴と同時に、扉の鈴がチリンと鳴った。
茶葉が足りない
あんたの脳内まるごと食洗機にかけてやろうか!
これだから腐男子は。
2013.4.13
[ 16/19 ][*prev] [next#]