フラワーガールズ服屋に現る


※れっくすさん宅オカマストライク♂/ファルチェットさんとムンナ♀/千夜ちゃん、自宅ムンナ♀/花とオリトレBw♀/郁






「あっらぁ、似合うじゃないのっ♪」

ピンポーン、店の自動ドアが開くと同時に、店員の挨拶が聞こえる。

色とりどりの服が揃う服屋のレディースコーナーで、ファルチェットは華やかな歓声を上げた。高い背は目立つものの、ただならぬ女子力が一番この場に溶け込ませていた。
寧ろ浮いているのは、楽しそうな笑顔とぶっきらぼうな顔をそれぞれ浮かべた、小さな2人だ。



「わあっ、スカートかわいいねえ」

「ま、歳にしてはちょっと地味な気もするけど、いきなりキャラ変えの印象出されても男は引くしね。それくらいがいいんじゃないかしら」

ぽわぽわとのんびり笑っている花は、ファルチェットが手にしたスカートに興味津々なようだった。千夜は花と同い年にしては、いやに大人びた意見を述べている。

うふふっ、とファルチェットは女性らしくはしゃいだ。


「でもねえ、たまにちゃんとした時にイメチェンでドキッとさせちゃうのも手よ!男なんて結局は新しい刺激を求めてるんだもの」

「まあね〜刺激求める男は確かに多いわね〜。あんたも分かるでしょ花」
「そうだねえ、みんな元気だもんねえ」


きゃっきゃっと華やぐ3人の視線を受け続けていた郁は、とうとう苦笑いして声を出した。

「あのー…そろそろ千夜ちゃん達と交代しても」

「ちょっと何言ってんのよ。まだ3件目じゃない」

千夜が信じられないとでも言いたげに郁を見上げた。花も不思議そうに首を傾げている。

年下に言われてぐっと詰まった郁は、ファルチェットを見上げた。



「でもさっきから私ばっかり試着しちゃってるし」

申し訳ないです、と眉を下げた郁を、ファルチェットは焦れたように抱き締めた。


「んもうっ気にしなくていいのよ!だって郁ちゃんくらいがちょうど着せ替えしちゃうのにいいサイズなんだものっ。こっちこそいっぱいお着替えさせちゃってごめんなさいっ」
「いえ私は全然」

腕の中でもがきながらほんわりと笑った郁の後ろで、小さくて悪かったわねと千夜が苦い顔をしていた。

相変わらず楽しげに、花が横からファルチェットを呼んだ。


「あのねえ、ファルチェさんと千夜ちゃんと、郁ちゃんとお揃いの服見てみたいなあ」
「いいわね!探してみましょうか」

「ファルチェ、あの棚が高そうなとこ見てきたら?私この2人見てるわよ」
「オッケー。お願いするわね」


「わ、私が千夜ちゃんと花ちゃんを見るのでは…!?」
「花も千夜ちゃんと郁ちゃん見てるよー」

あれ?もしかして私大変な役割の方取っちゃった?後ろの椅子に座ろうとしたが為に、何気無く言った自分を千夜は瞬時後悔した。

花1人でも正直目が疲れる。

案の定お花を飛ばす小さな背中は、ちょっと目を離した隙に白いTシャツを持って来た。


「郁ちゃん!これコマムラー先生とお揃いにしよう!」
「駒村君?」

何故かびっくりしてつむじを押さえた郁を他所に、花はのんびりと千夜を振り返る。




『山』

「…ちょっと、その漢字のチョイスは一体何なの?」
「コマムラー先生がね、これを語尾につけるの。好きなの」
「絶対違う気がする」
「違わないよ!教えてもらったんだよ!」

うっそだあ、渋い顔を向けると花は違わないよ!ともう一度言った。郁が目を丸くして尋ねる。


「語尾につけるって?」
「こんな感じ〜山山山」
「「違う気がする」」

「コマムラー先生喜ぶと思うなあ」


笑顔の花にどう言おうか千夜が頭を巡らせていると、郁は少し悩んだ末微笑んだ。良かった、流石、トレーナーたるもの…と一瞬だけ思った。一瞬だけ。


「花ちゃん、駒村君はパーカーの下は黒を着てるから、あっちの色違いにしよう」
「成る程ね…ってなると思った!?」


千夜が声を荒くした頃、ファルチェットが籠を手に帰って来た。ものすごく生き生きしている。


「この花柄のレギンス可愛くないかしら?千夜ちゃんはこのタイツになさいよ。ワンポイントが可愛いわ」

「それよりこの2人の服のセンス、どうにかしてやってよファルチェット」


あら、目を瞬いたファルチェットは、暫く眼光を鋭くした。






「そうね…どうせお揃いなら…フルコーディネートしてみたいわ…」

「「「えっ」」」




ガールズのショッピングは、まだまだ始まったばかりである。




フラワーガールズ服屋に現る




乙女の味方頼もしおネエ!ファルチェット見☆参!!!




姐さん花柄レギンスきっと似合いまっせ。
2014.4.23


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