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抱きしめていた身体をベッドにそっと横たえると、高尾の瞳がゆらりと揺れた。

「…怖いか?」
「だいじょぶ、だから…」

潤んだ瞳でそう答えながら、高尾は緑間を見上げる。

「こわくないから、して…」
「……怖くなったらすぐに言え」

念押しにこくりと頷いた高尾を見下ろして、緑間はゆっくりその唇にキスをした。

「っ…ん…はぁ」

温かい咥内が舌を包む。
柔らかさと温かさに心拍数が上がるのを感じながら、緑間は高尾の舌を絡めとった。

幾度かの口付けの後、緑間は服を脱ぎ捨てると高尾の衣服も取り払う。
その肌に緑間はごくりと喉がなるような気がした。
初めて見るわけでもないのに、その身体は緑間を引き付けてやまない。
するりと手を這わせれば小さく身じろぎ、口付けると赤く染まった頬で声を洩らした。
高尾の反応は怖がるよりも快楽に跳ねる方が多いくらいで、緑間はほっとした。


どきどきと打つ鼓動に、高尾は驚いていた。
怖がることなどなかった。今、自分に触れているのは緑間なのだ。
身体は快楽で自然と力が抜けていた。
気持ちがいいと確かに感じていたのだ。


それなのに、突然ふっと思い出したように胸に靄がかかった。
覆いかぶさられて、服を脱がされて、…その次は?

汗が浮かんで、ざわざわと不快感が押し寄せる。


こわい、と言いかけた口を引き結んで、高尾は恐怖に耐えようとした。
ここでとめたら、本当にダメになってしまいそうで。

シーツをぎゅっと握り締めながら、熱い息を吐き出す。


助けて……ッ。




「…ぁ、」

さらりと頬に触れて、そのまま髪を梳いた手は優しかった。

「はぁ、っあ…」
「大丈夫か高尾?」

怖く、ないか。
そう声をかけて、緑間は高尾の噛み締めていた唇にそっと口付ける。

その手は、高尾を殴るものではない。
優しくて、温かくて。

「…だいじょーぶ、…」

とろりと緩んだ顔で微笑んでみせると、緑間はそうかと微笑み返した。







「…も、真ちゃ…」
「そろそろ挿れるぞ高尾…ッ」
「あ…っう、あああ!!」

ゆっくり解されたそこの感覚に、高尾は背中をしならせた。
白む意識の中で、痛みと違った何かを感じながら、高尾はうっすら目を開ける。
零れる涙に揺れる視界の中で緑間の表情が見えた。

「あ、あっ、はン……ッ」
「高尾」
「ぁ、う…あっ、あ」

揺すられ擦りあげられる度に喘ぐ口は、緑間の名前を呼ぶことはかなわなかったが、高尾は何度も緑間を思った。

「好きだ、高尾」
「うぁ、あ、あああっ!」

目眩のような吐精感と、緑間の熱を感じながら、高尾は意識を手放した。





「真ちゃん…」
「どうした」

掠れた声に緑間は高尾の顔を覗き込む。

「オレ、…もー大丈夫だ…」
「…そうか」

もぞ、と緑間の方に擦り寄って、高尾は続ける。

「痛いとか、怖いとか…もう本当は忘れてたんだと、思う」

思い出したとかじゃなくて…きっと全部オレが作ってただけ、本当は。
でも、それを真ちゃんが全部ぶっこわしてくれた、だから…大丈夫。

「…高尾」
「なーに?真ちゃん」
「好きなのだよ」

温かい手を握って、高尾は嬉しそうに目を細めた。



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おわ、おわった…力尽きた。
なんというかね、あんまりダラダラするものアレかなって思って短くしたら何かおかしな繋ぎになってたっていう。
本当は前戯大好きなのに、書くのも読むのも大好きなのに…ッ!
でもまた書きたい、R-18。

12.09.07



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