林檎



「鬼道どうしたんだ、その顔」
円堂の声がして俺は思わず鬼道を見た。
「大丈夫か?!熱でも…」
「いや、違うんだが」
赤い顔をした鬼道が円堂に答えている。
「日焼けか?」
俺が聞くと鬼道は首を縦に振った。
「焼けやすい体質なんでな…」
ひりひりする、と付け足すと鬼道は眉を寄せる。
「日陰で冷やしてこいよ!あ、部室でもいーからな」
円堂の言葉に、そうさせてもらう、と答えマントを翻して鬼道は部室に駆けていった。

しばらくしても戻らない鬼道を心配した円堂が見に行くと言うのを制して、俺が行くと部室に向かった。
部室の扉を開けると、鬼道は氷嚢を頬に当てながら俯いていた。
「大丈夫か?」
「あ、あぁ…大丈夫だ」
相変わらず赤い顔で鬼道は答えた。
「まだ痛いか?」
その赤い頬に指を這わすと、鬼道は小さく反応する。
「んっ…、少しな…」
まだひりひりするが…と答えた鬼道はため息をつく。
「戻れないほど痛い訳じゃないんだが…」
「だが、何だ?」
鬼道は言いにくそうに返した。
「その…恥ずかしいだろう」
赤い顔のままでいるのは、と続けた。
じっと鬼道の顔を見つめる。
「そ、そんなに見るな……ぅ、?!」
ぴちゃ、と俺の舌が音を立てた。
「な、にをっ」
「いや…甘い気がしてな」
頬を舐めてやると鬼道の喉から声にならない声が零れた。
「そ、んなわけ…ないだろう」
ふざけてるのか、と小さな声がした。
「…痛くなくなるかもしれないだろ?」
かぁ、と赤い頬に更に赤みがさした。
ああ逆効果だったかもな。
だけど…こんな鬼道は、俺だけのものにしたかった、それが本音。


―――

日焼けネタ。鬼道さんは焼けやすい体質、かつすぐ赤くなっちゃう。
なのに日焼け止めはあんまり塗りたくない人。
豪炎寺が変態くさいのは…若気の至り。


おまけ↓

円「鬼道ー豪炎寺ー!!」
鬼「え、円堂!!?」
円「なんかさっきより赤くなってないか?」
鬼「そんなことは…」
豪「今日は見学した方が良くないか」
円「そうだな!日陰に入った方がいいぜ」
鬼「いや、そ……(豪炎寺め!!)」

ガチで心配するキャプテン。みんなに可愛い鬼道さんを近づけたくない豪炎寺。
愛らしいよブレイク組

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