パズル



好きだと言われた。
俺も好きだがと返した。もちろん本心だ。
一瞬妙な顔でそうかと答えてから、マントを翻して鬼道は戻っていった。
好き。
鬼道にとってのそれは、恐らく俺のそれとは違うらしい。(もっとも、これは風丸の言葉なのだが。)
本人に聞こうにもどうやらあの日から尋ねる機会がない。寧ろ鬼道に避けられているみたいでな。
どうしたものかと考えているんだが、この状況でいい案が浮かぶはずもないだろう。
とどのつまり、手詰まりというわけだ。

俺の「好き」があいつの「好き」とどう違うのか。
鬼道のことは好きだ。
鬼道のプレーも、人柄も、好感を持っているのは事実だ。
友情、だと思っているし、そういうつもりで鬼道にも好きだと言った。
だが正直考えているうちに分からなくなってきた。
円堂達に対しての「好き」と鬼道に対しての「好き」がどうも違う。
なんと言うか、チームメイトとしてだけじゃないと思うんだ。
どう思う吹雪。



「で、吹雪は何て答えたんだ?」
「…それ、もう僕じゃなくて鬼道君に言ってあげた方がいいと思うんだけど、って。」
豪炎寺君って僕の思ってた以上に自分に疎いねと微笑む吹雪に、風丸はまったくだと肩を竦めた。


―――

豪鬼+吹+風
鬼道さん殆ど出てない。
風丸さんは世話焼きです。
相談相手を吹雪にしたのは何となくです。(次点で一之瀬)
吹雪にしたから多分3期ぐらい。

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