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星の広がる空を見上げる1匹のうさぎ。
夜空に人が、届かぬはずの星に手を伸ばすかのように跳びはねる。
何度も、何度も。
虚しくも、愛おしいその姿に、笑みが零れた。
『あぁ、星になりたいんだ』
幻のように消えゆく、箒星のように。
『僕もね、彗星になりたいんだよ』
なんて素敵なんでしょう。
生きることを、少しも諦めないその背中。
こんなにも切なくて、胸を締め付ける。
こんなにも、愛おしい。
そんな胸中を廻る熱さで、生命の温度を知った夜は、何とは無しに、叫びたくなったのだった。
END あとがき
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