小説チックなの。
2011/01/30 23:02
自己満足です。
ペリッパー♂:メフィストの欝期。
ゲーテのファウストがベースです。
*ファウストを悪魔の道に引き込めば勝ち、堕ちなければ神様の勝ち。
ファウストはメフィストにより若返りを始め様々な欲望を満たされ、最終的に満足を得る。
欲望に満足したファウストの魂を奪おうとしたメフィストだが、結局神によりファウストの魂は救われる。
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「俺が悪魔でなけりゃあ、悪魔にでも魂を売り渡したい気分だ」
目の前で大仰な仕草で嘆くメフィストをちらりと見つめたザガンは、つまらなそうにワインを口に運んだ。
「私に売り渡したところで、ご馳走がワインになるだけだがな」
「それでもいいさ。がぶがぶ飲んで、一滴の残らず舐め啜ってやるのさ。まるで女にするように」
卑猥に笑うメフィストに鼻を鳴らしたザガンは空のグラスにまた赤いワインを満たした。
ぐたりとメフィストが頭をテーブルに預ける。
「あぁくそう。俺の23年間の奴隷生活……。魂を貰えなきゃただ働きだ!」
「道化にはお似合いだな。肥えさせて下味をつけて、前菜の支度をしたところで食いっぱぐれる。まぁ、あの天にましますお偉い人と賭け事をすること自体間違っているのだよ。勝ち目が見えたかね」
「だって人間一人、欲望に突き落としゃ勝ちって言われたんだ。簡単だろう?事実、簡単だったんだ」
顔を伏せたままのメフィストに不審がったザガンがメフィストの頭を鷲掴んで無理矢理上げさせた。
くしゃりと歪んだ顔は泣き出しそうな子供のそれで、およそ悪魔の浮かべるべき表情ではない。
「情けない面をするな。それでも悪魔か」
「悪魔じゃなけりゃあ、良かった。悪魔じゃなけりゃあ……」
呻くようなメフィストの言葉が途切れる。
真っ黒い瞳が言葉を探すように瞬き、開きかけた口を閉ざす。
「悪魔じゃなければ、何になる?どうなっていた?」
口を閉ざしたメフィストを睨み付けながらザガンが威圧するように問う。
未だ泣き出しそうなメフィストは口元だけニヤリと笑った。
「神様になって、愛しい人とハッピーエンド」
話は終わりだとばかりにザガンの手を払いのけたメフィストは椅子から立ち上がった。
ザガンはその細い背中をじっと睨む。
「お前は悪魔にしかなれないさ。お前程悪魔らしい奴はいないからな」
「あぁ、はは、お褒めに預かり光栄です」
振り返ったメフィストは、悪魔らしくにんまりと笑った。
*****
メフィストは魂を奪えなかったファウスト博士に心を盗まれました的な。
ファウスト博士はエアームドのおねいさまです。
ホモを緊急回避!
あ、なんかせっかくシリアスな文字書いたのに台無しくせぇ。
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