2月15日(金)B(終)


「ガリガリのてめえに言われるとムカつくんだよ!」
「えー?、シズちゃんは身長の割に細いと思うけどな。」
 悪戯な臨也の手は、尚も静雄の体を確かめるように動いた。それは別に性的な触れ方ではないつもりだったが、静雄の頬は面白いように赤く染まってゆく。
 下肢を撫で、脹ら脛を緩く揉み、また臀部から腹へと手を戻す。こうして触れればただ痩身なだけではなく、随分と引き締まった身体をしていると思う。腕も、脚も、柔らかなところは一つもない。
「…男の身体だね。」
「当たり前だ!もう離せ!」
 顔を赤くした静雄が引き剥がそうと腕を伸ばして来るが、臨也はその腕を逆に抱き込んでやった。力は静雄の方が上だが、こうして覆い被さっている分は臨也に利がある。
「骨張っているし、筋肉は硬いし、胸はないし。」
「…てめえ、喧嘩売ってんのか?」
 ピキ、と音がしそうなほどの青筋が静雄の額に浮かぶのを見ながら、臨也は口端を吊り上げて小さく笑う。
「それでも俺は、この身体がいい。」
「は、」
「抱きたいと思うのは、この身体だけだ。」
 臨也はそう囁くと、顔を更に赤くする静雄の唇を塞いでやったのだった。

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