1月24日(木)別れ話B


「始めから君は、誰でも良かったんじゃないの?」

 臨也はその苛々とした感情を、直接静雄へとぶつけてしまった。
 自分から別れを切り出したくせに、相手が平気な顔をしているのが気に入らない──それはなんて身勝手な感情なのだろう。そう自覚をしているというのに、口から出る辛辣な言葉は止まらない。
「自分を愛してくれるのなら、誰でも良かったんだろう?」
 誰からも忌み嫌われる、化け物のような君は──。
 臨也の容赦のない暴言に、静雄の目が一度だけ瞬く。いつもなら直ぐに怒りを顕すというのに、青いサングラスの奥にある瞳には何の感情も滲んでいない。
「もう別れたってのに、今更なんだってんだ?」
「疑問に思ったからだよ。謎は解明しないと気がすまないんだ。」
 臨也は口端を吊り上げ、いつものように冷たく笑って見せる。もちろんこれは虚勢で、内心は言いようのない憤りで腹の底が熱くなっていた。


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