「歓迎会しよっか」
仕事もそろそろ終わるであろう頃合いに、閻魔大王が言い出したのは、白澤の妹の歓迎会をしようと言うものだった。
「今から準備するのですか?」
「そうそう」
「誰が…」
鬼灯は怪訝そうな顔をして閻魔大王に問いかけた。閻魔大王は笑顔で鬼灯を指差す。
その行動にイラっとした鬼灯は軽く持っていたボールペンを投げた。ボールペンは閻魔大王の足元に落ちて、床に刺さる。
「…歓迎会とかいいです…」
その光景を見ていた白澤の妹はおずおずと進言する。
二人は白澤の妹を見た。
「何でー?」
「遠慮しなくても良いんですよ?」
先ほどとは打って変わって鬼灯は優しく白澤の妹に話しかけた。
「恥ずかしいですし…」
白澤の妹は目を伏せて、俯いてしまった。
「本人が嫌ならまた今度やろっか…。あ!今日は鬼灯君と二人でご飯でも食べておいでよ」
経費で落とすからね!と閻魔大王は笑顔で言ったのだが、鳩尾に鬼灯の肘うちがヒットし、蹲る事になった。
閻魔大王様のポケットマネーで。と鬼灯はぼそりと呟いた。
仕事が終わり、閻魔大王の言い付け通り鬼灯と白澤の妹は二人で食堂に来ていた。
「食堂で本当によかったのですか?」
「はい、充分です」
鬼灯はもう少し良い所へ白澤の妹を連れていこうとしたのだが、白澤の妹が食堂で良いとの事だったので食堂へやってきた。
「遠慮せずに食べてくださいね、閻魔大王のお金ですから」
そういって鬼灯はどんどん注文していく。
その隣で、白澤の妹は小さくつぶやいた。
「チョコレートパフェ」
テーブルの上には鬼灯が注文した和食、中華、洋食、そして地獄ならではの料理が並ぶ。あまりに多いので、近くにいた茄子と唐瓜もいつの間にか一緒に座っている。
「白澤の妹さんはそれだけ?」
茄子が白澤の妹の前に置かれたパフェを見て疑問を投げ掛けた。白澤の妹はこくりと頷き答える。
「お料理は鬼灯様がたくさん注文して下さいました。私は甘いものが好きなので…」
少しだけ頬を染め恥ずかしそうに茄子に向けていた視線を外す。
白澤の妹がそのまま黙ってしまったので、鬼灯は場を仕切り直す様にパンッと手を叩いた。
「では、いただきます」
鬼灯の合図に合わせて、全員で合掌。小さな歓迎会が開かれた。
お好きな食べ物は?
鬼灯君遣いすぎ!(涙)
←