地獄、現世、天国を結ぶ門の前に3人の姿があった。
門番の牛頭と馬頭、そして鬼灯の妹の鬼灯の妹だった。
3人は真剣に話をしている様で、近づいてくる人影になど気づきはしなかった。

白澤は帰路につくために門を通る。前方に3人の姿を確認すると、柱に隠れた。咄嗟の反応、条件反射だ。
微かにだが会話する声が聞こえてくる。



「それは……がすき…のぉ?」
「…りそ…で…?」
「「そうよ!そうよ!」」


牛頭と馬頭は至極楽しそうにきゃっきゃっとはしゃぎ、間に挟まれた鬼灯の妹は恥ずかしそうにうつむいている。

(何の話をしているんだろ?)


白澤は更に聞き耳を立てた。


「でも白澤様は遊んでるだけですよ?」
「そんな事ないわよぉ〜」
「そうよ、白澤様も鬼灯の妹様の事がきっとすきよ?」
「……うー…」
「女の勘よ「ねー」」



3人は女同士、恋バナで盛り上がっている。その恋愛対象にされているのが白澤だった。


(白澤様も?もって事は…)


閻魔殿では期待でしかなかった気持ちが、確信へと変わる。
白澤は無性に嬉しさを感じ、小さくガッツポーズを取る。


(さて、出ていくか)


恋バナも一区切りついたのか、牛頭と馬頭が二人で勝手に喋り出していた。
白澤は今来たばかり、と内心の喜びを隠して、一歩一歩、鬼灯の妹達に近づいていった。





夢から現実へ

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