「今日の白澤様、変じゃないですか?」


お昼の時間を過ぎた頃、桃太郎が小さな声で話しかけてきた。部屋には桃太郎と私の2人。白澤は昼食を食べてから、自室に籠もってしまった。


「白澤が変なのはいつもだろう?」
「そう言う意味でなく…」


桃太郎の言葉に私は疑問符を浮かべながら返す。


「いつもより元気がないですし、女の子が来ても声もかけないんですよ?!絶対おかしいですって!」
「放っておけ」


確かに朝から白澤はダルそうに仕事をしていた。それは珍しい事ではなく、時々ある事なのだが桃太郎は見たことが無かったのだろう。


「心配です」
「白澤の心配なんかしてると、桃太郎まで元気が無くなる。だから、放っておけ」
「うーん…」


先ほどから白澤の事で悩んでいるのか、桃太郎まで難しい顔をしだした。それでは、からかっても面白くない。


「なまえちゃん…?」
「何、白澤?」
「ちょっと……」


そこへ白澤が部屋から顔を出した。ちょいちょいと私に向かって手を振って呼んでいる。
そしてまた部屋へと戻っていく。


「はぁ…桃太郎は今日は帰っていいよ」
「へ?」


私は重いため息をついて、桃太郎に向きなおる。


「白澤があんなんじゃ店も営業できないし」
「でも」
「いいって。片付けもしておく。お疲れ様」
「……はい」
「明日には白澤も元気になってるよ」


桃太郎ににこりと笑えば、納得行かないながらも桃太郎は帰り支度を始めた。




「お待たせ、白澤」
「ん」


白澤の部屋に入ると、白澤はベッドの上に座っていた。白澤は腕を広げて私を呼ぶ。
私はその腕の中へと大人しく収まる。白澤の温もりが伝わってくる。少しだけ鼓動が早い。


「桃太郎が心配してたよ」
「そっか…悪いことしたなぁ」
「早く元気になれ」
「んー…なまえが優しくしてくれたらきっと元気になる」
「私はいつも優しい」
「あはは…そうだね」


白澤は私をぎゅっと抱きしめて首筋に顔を埋めた。少しくすぐったい気持ちになる。


「ねぇ、なまえ…」
「うん?」
「キスしよ」
「キスでいいの?」


耳元で囁く白澤の声は低く、何度聞いてもドキリとする。その声に目を細めながら、私は聞き返す。白澤の本当にしたいのは、きっとキスじゃない。


「本当、なまえは優しいな」





そっと、大切に

どうして分かっちゃうのかな







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病んでる白澤様が好きすぎる。2人の時だけ呼び捨てとか可愛くない?白澤様好きだ!
そして、桃太郎に告白させてますが、なまえさんと白澤様はこんな関係です。アーッ!

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