「………さむ…」


外気が冷やされ、布団の暖かさが最高長に達する冬の朝。私も例に漏れず、布団にすっぽりと入りその暖かさを貪っていた。


「なまえさーん?朝ですよー」


コンコンと軽く部屋の扉がノックされる。いつになっても起きてこない私を桃太郎が起こしに部屋までやって来たようだ。
桃太郎は部屋の扉を開けて、私のベッドまでくると頭の方から覗きこんでくる。


「無理、寒い、無理」
「早く起きてください」
「白澤、居ないんだろう?」
「帰ってないみたいですね」
「じゃぁ、店は休み」
「鬼灯さんから頼まれてる薬作らないといけないんっすけど…」


もぞもぞと動く私を説得しようと、桃太郎は声を掛けてくるが、私はそんな事では布団から出る気はない。私が布団から出る気がないと分かった桃太郎は、布団に手を掛けるとそのまま引っ張った。私は布団にしがみつき、桃太郎と布団の取り合いとなる。


「起きてください!」
「いーやー!」


私は一つ妙案を思いつき、布団を引っ張っていた手を放す。それと当時に桃太郎は後ろへと倒れた。


「うわぁぁあ!いてっ!」


床に倒れた桃太郎の上に布団がバサリと落ちた。そして私はその上へダイブし、布団ごと桃太郎を押さえ込む。


「なまえさん?!」
「もふもふ…」


桃太郎はあたふたと布団と私をどけようとしているが、私は桃太郎に抱きついた体勢で再び眠りにつこうとする。
ちょうど良い抱き枕。


「なまえさん、ちょっと!」
「なんだね?桃タロー君」
「いい加減にしてください!」


桃太郎も流石に男。布団ごと私をひっくり返し、私の目の前には桃太郎の顔が見えた。端から見れば押し倒されて居るような光景。


「あ、いや…!すみません!」
「照れてるのかい?」


桃太郎は顔を赤くして飛び退く。私はそれが何だかおかしくて、小さく笑った。


「眠気覚めちゃった」
「じゃぁ、早く着替えてきてください」
「はいはい…覗くなよ?」
「覗きませんッ!」


桃太郎は赤い顔のまま私の部屋を出ていった。私は床に広がった布団を片づけて、今日の活動を始めることにした。




良い朝に、良い目覚めを

桃太郎は見てて飽きないなぁ








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喧嘩の途中ですが、桃太郎夢をお送りしました(笑)桃太郎難しいね!初な桃太郎可愛いです。需要が未だに不明ですがwww

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