今日は鬼灯様がお休みだというから、遊びに来たら、部屋に鬼灯様の姿はなかった。
きっと金魚草の手入れをしているだろうと、金魚草畑へ足早に向かった。


しかし、そこにも鬼灯様の姿はなく、私は仕方なく金魚草を眺めて鬼灯様が現れるのを待つことにした。


「これの何処が良いんだろう…」


ぴちぴちと活きの良い金魚草が揺れる。その中でキラリと光る金魚草を見つけた。白い鱗の部分が光を反射して銀色に光る。
私はもっと近くで見ようと、金魚草の間を歩き、近づいた。私はそのばにしゃがみ、金魚草を眺めた。



私がキラキラと光る金魚草を眺めていると、ポツリと水が落ちてきた。
上を見上げると晴天。
だが、サーッとまた水が降り注ぐ。
私はビックリして立ち上がると、頭にコンと何かが当たった。


「なまえさん?!」
「あ!鬼灯様!」


頭に当たったのは鬼灯様が金魚草に水をやるために、釣竿の先につけたバケツだった。
私は見事に頭から爪先まで水浸しになってしまった。


「何でそんな所にいるんですか?!」
「金魚草が綺麗だったので…つい…」
「とにかく、こちらへ来てください」


私は鬼灯様に呼ばれるままに鬼灯様のいる所まで帰る。すると、鬼灯様がタオルを1枚渡してくれた。


「ありがとうございます」


私は素直にお礼を言い、タオルで髪の毛を拭いた。ふわふわで柔らかいタオルが心地よかった。


「濡れてしまいましたね…早く着替えないと風邪を引きますよ…それに…」


鬼灯様は最後の言葉を濁した。私は不思議に思い、その言葉の先を促す。


「それに?何ですか?」

「体のラインが分かりますよ」


鬼灯様はそう言って少し視線を私からずらす。私は自分の足元を見るように、体へと視線を向ける。


「………っ!」


先ほど濡れた着物はぺったりと肌に貼り付き、体のラインを浮き彫りにしていた。


「気づいてなかったのですか?」
「早く言って下さいよ!」
「嫌ですよ、勿体ない」


何が勿体ないのか、鬼灯の発言が気に入らなかったが、こんな姿を他の獄卒達には見せられない。
鬼灯様が渡してくれたタオルで軽く着物の水分を取り、私は部屋に戻ることにした。


「何か用があったのでは?」
「もう、大丈夫ですよ!」


鬼灯様に声をかけられたが、今はそれどころではない。元から大した用はなかったのだから、問題もない。

ただ、鬼灯様と話がしたかっただけだから。





お天気雨








-----
強請終了!(笑)

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -