Request Thank you!



今日も天国はのんびりとした空気が漂い、とても良い気分だ。僕は鼻歌混じりに極楽満月までの道を歩く。少し用事があって地獄まで出かけていたのだが、鬼灯にも会うことなく無事に戻ってこれた。素晴らしい事だ。
僕は上機嫌で極楽満月の戸を開く。すると、桃タロー君となまえちゃんが楽しそうに話をしているのが目に入った。声を潜める様にこそこそと話をしているので内容までは聞き取ることができない。
しかし、二人の距離が近い。僕は若干むっとしてそっと二人に近づき声をかける。


「何だか楽しそうな話をしてるね?」
「白澤様…?!」
「おかえりなさい」


桃タロー君はびっくりしたように肩を振るわせ、なまえちゃんは平然と振り向いた。


「何を話してたの?」
「えっと…」
「白澤様には内緒です」


桃タロー君が口ごもると、空かさずなまえちゃんがフォローを入れた。「ね」なんて桃タロー君と顔を見合わせて笑う。面白くない。


「何で?教えてよ〜!」
「駄目です〜!内緒です!」


聞き出すまで逃がす気はない。だが、なまえちゃんに抱きつこうとした手は空を切った。ひらりと僕の手をかわしてなまえちゃんは薬棚の方へと移動していった。そのまま上手くはぐらかされてしまい、結局話の内容を聞き出す事はできなかった。






「白澤様」


桃タロー君が仙桃の収穫に出かけるとなまえちゃんが僕に声をかけてきた。


「何?」
「拗ねてるんですか?」


素っ気なく返事をすれば、なまえちゃんは少し笑みを浮かべ僕の顔をのぞき込んでくる。


「拗ねてないよ、なまえちゃんは桃タロー君と仙桃の収穫でもしてきなよ」
「……もう…」


「拗ねてるじゃないですか」となまえちゃんは困った顔をする。そして、自分の体の後ろに隠していた手を前に出しだした。


「はい、これ」
「?」


その手の上には綺麗にラッピングされた袋が乗っていた。


「今日は私と白澤様が出会って500年目の記念日です」


恥ずかしそうになまえは笑って、僕にその袋を渡した。


「白澤様には誕生日とかないので、なかなか…その…プレゼントとかあげられないので…」
「まさか桃タロー君と内緒にしていたのって…」
「そうですよ、一人で決められなくて桃太郎さんにも意見を聞いてたんです」


僕は子供みたいな勘違いをしていた自分が恥ずかしくなった。大体にして記念日を覚えて居なかった自分に腹が立つ。
僕は申し訳ない気持ちになり、しゅんと下を向いた。


「どういう勘違いしたんです?」
「……ごめん」


なまえちゃんは少し面白そうに、そんな僕をのぞき込んできた。
僕の口からは謝罪以外の言葉が出てこない。なまえちゃんはふぅっとため息をついてにっこり笑った。


「プレゼントのご感想は?」
「…!凄く、すっごく嬉しいよ!なまえちゃん、ありがとう!」


なまえちゃんの言葉に僕は勢い良く顔を上げ、素直に気持ちを伝えた。そこでふと僕はある事に気づく。


「でも、記念日なら僕からも何か…」
「い、いいです!」


なまえちゃんは顔をぶんぶんと振って遠慮する仕草をする。


「でも…」


僕が引かない分かるとなまえちゃんは遠慮がちに上目遣いで僕の顔を見た。


「じゃあ、一つだけお願いしてもいいですか?」
「何?何でも聞いちゃうよ!」


その仕草がとても可愛らしくて、僕は口角を上げる。にこりといつも以上の満面の笑みでなまえちゃんを見ると、なまえちゃんはおずおずと口を開いた。





これからもずっと
一緒に居てもいいですか?

当然じゃないか!









-----
【真夜様リクエスト】
甘&嫉妬系、鬼灯or白澤が彼女に嫉妬

鬼灯様のリクエストが多かったので白澤様で書かせて頂きました!甘いのかなこれ!そして途中で桃タロー君ログアウト…もう少し絡ませればよかった…

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -