一夜限りの夢を見る。
君の甘い香りに目を閉じ、
柔らかく包み込む肌の感触、
指先から伝わる体温、
上気した頬、
潤んだ瞳に僕が映る。
「一夜限りの夢だよ」
だって、朝になれば僕は空へと帰るから。
*
「なまえちゃんって言うんだ!可愛い名前だね。あ、もちろん名前以外も可愛い!」
「ありがとうございます」
いつもの軽い口調で女の子に声をかける。現世にしかない薬草の調達に、久しぶりに来たのだが、ついでに遊んで行くことにした。
「ハクタクさんは…中国の方ですか?」
「そうだよ。吉兆の印、神獣白澤と同じ!僕といると良いことあるかも」
「本当ですか〜」
なまえちゃんは冗談めかした笑いをした。僕は「本当だよ」なんて言いながらにこりと笑えば女の子なんて簡単に落ちる。
「だからさ、遊ぼう」
なまえちゃんの手を取って、軽く引けば、ほら…
今日の相手を捕まえた。
*
「ハクタクさん?」
「ん、なぁに?」
事情後、うつらうつらとしていたらなまえちゃんが僕の顔を覗き込んできた。
「寂しそうですね」
「え?」
何を言うかと思えば、予想もしていなかった言葉をかけられる。
「何だか寂しそうです。私じゃ気が紛れませんか?」
寂しそうなんて言われたのは始めてで、少しだけ戸惑ってしまった。なまえちゃんは眉を下げ、心配そうな顔をする。
「そんな顔しないでよ」
「だって…」
なまえちゃんが言葉を続けようとするのを、唇を塞いで止めた。
「それ以上言われたら、好きになっちゃう」
冗談めかして言えば、なまえちゃんは小さく笑って言った。
「好きになってくださいよ。私はハクタクさんが好きになってしまったみたいだから」
*
熱に浮かされ、
溶けてしまいそうな程、
快楽に溺れて、
幸せを錯覚し、
現実も、
真実も、
偽りも、
全てを呑み込んで。
「駄目だよ、これは一夜限りの夢だから」
傷つくのは君じゃない。
愛してしまったら、戻れないのは僕の方。
現世になんて捨てて欲しいと、願うのは僕の方。
だから、愛せないよ。
*
「寂しいのは私なんです」
別れ際のなまえちゃんは笑顔でそう言った。彼女の過去なんて興味がないし、もう会わないのだから知る必要もなかった。
「また何処かで」
社交辞令の挨拶を交わして、僕達は別れた。
体温
そんな感情忘れたよ
←
-----
蝶と被ってない?www
意味不明すぎました。思いつきの携帯作品。調子悪いのに書くもんじゃないね!