パンッと乾いた音が室内に響いた。その音を残し、その場にいた3名の内、1人の女性は室内を後にする。

「白澤様も懲りませんね」
「あ、なまえちゃん!今日も綺麗だね」

先程、別の女性に平手打ちをされたばかりの男の顔とは思えない、にやけた顔で白澤は笑いかけてきた。


「お薬貰いに来ました」
「あぁ、もうなくなった?」
「はい、きっかり一月で」

白澤は数ある薬の中から何点か引き抜き、袋にまとめなまえの手に渡した。


「今回は少し配合を変えてみたから長持ちすると思うよ」
「そうですか、ありがとうございます」


手の中の薬の袋をじっと見てから、なまえは白澤の顔を見た。

「少なくないですか?」

率直に疑問を述べる。何時も貰っている薬の量より遥かに少なく、軽い気がする。

「なまえちゃんにもっと会いたいから少なくしてみたよ!大丈夫、値段は変わらない」
「ぼったくりじゃないですか!」


ナイスツッコミだね、なんて笑いながら白澤はなまえの頭に手を置いて、優しく撫でた。

「そろそろ薬なんか無くても生きていけるよ?」

「……死んじゃったらどうするんですか」

白澤はあははと、軽く笑いなまえの顔を覗きこみ目線を合わせた。なまえは少しだけ赤くなり、恥ずかしい気持ちになる。

「じゃあ、僕の所においでよ。なまえちゃんは薬の心配はいらないし、僕はなまえちゃんが側にいたら嬉しい」


恥ずかしげもなく、真っ直ぐになまえの瞳を見つめ、白澤は言った。
なまえは顔に熱が集中し、真っ赤になりながら答えた。


「死んでも嫌です」






ひらひらちょうちょ

でも、薬代がタダなら考えておきます







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白澤様が居なきゃ生きていけないっていうセリフが入れられなかった。残念。「死ぬ」って事はないんだろーなーうーん…

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