今日も仕事は順調に進み、空いた時間で閻魔殿まで足を運んでいた。中庭沿いに長い廊下が延びていて、その先に黒い着物が目に入る。それは間違いなく、第一補佐官の鬼灯様であることが分かった。


「ほーずきさまー!」
「仕事しろ」
「ぐふっ」


ドタドタと廊下を全力で走って鬼灯様に抱きつこうとしたけれど、金棒でお腹に一撃を食らった。
私は痛みのあまり、その場にうずくまり鬼灯様を見上げる。


「愛が痛いですよ、鬼灯様」
「毎日、毎日、なまえさんは痛いのが好きなんです?」
「鬼灯様から受ける痛みは好きです」


にへりと笑ってみたら鬼灯様の顔が少し引き吊った様な気がした。


「兎に角、仕事に戻る!」
「はぁーい」


鬼灯様は厳しい口調で私に言うと、自分の仕事に戻って行った。私も仕方なく仕事に戻る事にする。次の鬼灯様襲撃予定を考えなければ。





仕事中で怒られるのなら休憩中に行けばいいじゃないか!そんな簡単な考えで、休憩時間になった所で鬼灯様の部屋に行くことにした。


「ほーずきさ…ま?」


鬼灯様の執務室を覗くと、そこに鬼灯様の姿はなかった。


「あれれ?お庭かな?」


今日、視察に行くという話は聞いていない。
他に鬼灯様が行く所は金魚草の庭だと思う。私は執務室を後にし、金魚草の庭まで行くことにした。


「ほーずきさま」
「うわっ」


金魚草の水やりをしている鬼灯様に私は後ろから思い切り抱きついた。鬼灯様の持っていた竿が大きく揺れ、水がバチャバチャと飛び散った。


「…なまえさん、何回言えば…」
「今は休憩中です」


にこっと笑って鬼灯様の腰にぎゅっと抱きつく。鬼灯様は私を怒ることができず、困った顔をする。


「邪魔なので、離れて下さい」
「…はい」


私は鬼灯様の腰からぱっと手を離して、近くの階段に腰掛ける。
鬼灯様は水やりを再会した。私は鬼灯様に話しかける訳でもなく、ただその姿を眺めていた。


「楽しそうですね」
「はい!鬼灯様と居られて凄く楽しいです!」
「……そうですか」


私がにこにこと鬼灯様を見ていたので、見られている鬼灯様から話を振ってきてくれた。
私の答えを聞いて、鬼灯様は少し表情を曇らせる。気にする様な事を言っただろうか?


「みんなは鬼灯様の事怖いって言いますが、私は鬼灯様の優しい所が大好きです」
「恥ずかしげもなく言いますね」


先ほど表情を曇らせたと思った鬼灯様は、いつもの様に無表情に戻る。でも、少しだけ嬉しそうに見えるのは私の気のせいだろうか。


「事実です!だから結婚してください」
「断ります」
「えー!今の流れは結婚する流れでしょう?」


機嫌が良さそうなので、了承してくれるかと思ったのに即答で断られた。いつもの事だが、傷つくんですよ鬼灯様…
ちょっと落ち込む私を見て鬼灯様は嬉しそうだ。


「そうですね、あと千年ぐらい経ったら考えてあげます」


思っても見なかった鬼灯様の言葉に、私は嬉しくなって鬼灯様に再び抱きつく。


「本当ですか!じゃ、あと千年、鬼灯様にアタックし続けますね!」
「それは止めて下さい」


鬼灯様は迷惑そうに、でも少しだけ嬉しそうに笑ってくれた。





愛情暴走中。

本当はこんな毎日が、
楽しくて嬉しいのです







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あ、うん。リハビリ1号。押せ押せヒロイン楽しいです(^ω^)
上手く言いたいことがまとまりませんでした…

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