「しずお、一口!」

ぱくり、と横から俺の食べていたプリンを奪っていく未来。

「な…っ!未来…!」
「うまーい!」

未来は頬を押さえながら満面の笑みをうかべる。

う、可愛い……じゃ、ねぇ!

笑顔に見惚れている場合ではない。大切なプリンを食われたのだ。毎回毎回、俺のプリンを…

「食いたいなら自分で買ってこいよ、未来」
「やだよ、面倒くさい」

即答した未来は、まだ俺の手の中にあるプリンを狙っている。
堂々と人のプリンを食っておきながら、この態度は何なのか。


「もう、やらないからな」
「けち!」
「だから自分で買え!」


むーっと膨れる未来はそっぽを向いてしまった。
機嫌を損ねたらしい。

「静雄のプリンだから食べたいのに…」

ん?今なんて?俺のだから食いたい?俺のを食いたい?俺を食いたい?いや、何か違う。

「どういう意味……」

俺が混乱していると未来はくるりと向き直り、俺の唇にキスをした。

「今日はご馳走さま」

ふわりと触れた唇の感触と、間近で見た未来の笑顔が眩しくて、俺の頭は真っ白になった。






君のがいいの!

わたしの、くうな。





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静ちゃんは書いてて楽しい

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