《近*親*相*姦*疑*惑》





ふわりとコーヒーの香りが鼻をかすめ、部屋の中へと拡散していく。
今現在、部屋には2人。2人は良く似た顔立ちをしている。違いと言えば性別ぐらいだろう。

男は折原臨也。
女は折原未来。

ソファーに向かい合う様に座り、優雅な午後の一時。という感じだ。


「で、何しに来たの未来」

先に話を切り出したのは臨也だった。

「さっきも言ったじゃない?一緒に暮らしましょう。そんな事も覚えてられないぐらい馬鹿になっちゃったの?臨也は可哀想ね」

カップに落としていた視線をふと上にあげ、きょとんと首を傾げた未来。


「全然意味が分からないよ…。いきなりどうしたの?彼氏と同棲してたんじゃなかった?あ、振られたのかー…変人だってバレて。残念だったねぇ…未来を理解できる人間なんていないから。」


臨也は言葉を並べ立て、未来に突き付ける。


「振られた訳じゃないわ!でも愛せなかったんだから仕方ないじゃない!臨也の様に全ての人間は愛せないんだもの。」


むっと頬を膨らませ、臨也の言葉に未来は反論した。


「未来、もう諦めなよ。君が愛せる人間なんて居ないんだから」


そう、未来はどんな人間も愛せない。
臨也が全ての人を愛する
ように、未来は一人の人しか愛せない。


「でも、臨也を愛してはいけないのよ。私が愛しているのは臨也だけなのに…」

未来の瞳に涙が浮かび、赤い濡れた瞳は臨也を写し出し綺麗に光った。
臨也の鼓動が少しだけ早くなる。そして口角を上げニヤリと笑った。

「俺は好きだよ、姉さん」

未来の顎に手を添え、ゆっくりと唇に口をつける。ちゅっと軽いリップ音をたてて臨也は唇を離した。

「姉さん、何て呼ばないでよ」

「そうだね未来…でも、姉さんって響き…背徳的でたまらないと思わないかい?」


決して結ばれてはいけない、血の繋がりをもつ姉弟。
その枷が未来の理性を保っていた。

「未来、俺は一人の女性として未来が好きだよ」

だから、ね?

未来の耳元でそっと低い声で囁くと、未来は身震いをした。


「臨也、愛してるわ」





何処までも堕ちて

年齢も性別も血縁も
貴方となら関係ない








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長編にしようと思ったけど打ちきり(笑)詰めちゃって説明不足。臨也さんに姉さんって言わせたいだけ←

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