「臨也さん、えっちしましょう」


満面の笑みで彼女は言った。

まだ陽も高い時間に俺のオフィスへやってきた未来は、俺の顔を見るなり駆け寄り恥ずかしげもなく言いはなった。


「見て分からない?仕事中何だけど?」
「そんなの分かってますよ〜!だからシましょう!」
「一人でやってて」
「それじゃつまらないです!」


言動が外れているのは、いつもの事なので俺は机の上の資料を眺めながら流した。
未来は、むぅと頬を膨らませてソファに座った。ぼすんと音を立てて、ソファが未来を包み込む。


「臨也さん最近遊んでくれないし…寂しいんですよ…」


騒ぎ立てていた未来がしゅんと静かになる。
確かに最近仕事が多かったな、と少しだけ反省した。
俺は横目でチラリと盗み見て、資料を机に置いた。

ふるふると未来の肩が揺れる。まずい泣かしたか…


「それは…」

「だから、少しぐらいえっちしてくれてもいいじゃないですか!」


謝罪のために口を開いたが、前言撤回。
未来は真剣な眼差しで、目尻に涙を溜めながら俺を睨んできた。


「何処か行こうとか…もっと健全な考えはないの?」

ため息混じりに聞くと未来は笑顔になり、答える。


「臨也さんが忙しいのは分かってるので、短時間で終わる事を提案してるだけです」

「短時間で終わらないかもしれないよ」

「それはそれで嬉しいです!」


にこりといつもの満面の笑みで未来は笑う。少しだけドキリとした。俺は困った顔をして、笑い返す。


「どうなっても知らないよ?」


そう言って、俺は椅子から立ち上がりソファへと移動した。




甘い声で囁いて

いっぱい愛してあげる




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後悔はしてない(ドヤッ

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