※【鬼灯ver】続き





「今度の休みに一緒に出かけませんか?」


私は鬼灯様の顔を真っ直ぐに見ながら、お願いをした。鬼灯様は少し驚いた様な仕草をするが、すぐに柔らかい顔で返事をしてくれた。


「えぇ、いいですよ」


私はその答えに内心ガッツポーズをした。鬼灯様と出かけられる、その約束ができただけでも凄い事だ。


「しかし…」


鬼灯様は机の上をちらりと確認する。机の上にはチョコレートの山と、その隣に書類の山が見える。


「休みがいつ取れるかが…」


鬼灯様は多忙の身。
お休みを取っていることの方が少ないのだ。


「ご無理はなさらず…!鬼灯様の余裕のある時で良いですので」


余裕のある時なんてあるのだろうか?鬼灯様は仕事以外にもいろんな事をやっていると聞いたことがある。


「ふむ…」


鬼灯様は机の上にあったカレンダーへ視線を落とした。視察などのスケジュールがびっしりと書かれたカレンダーには空いている日など無かった。
そのカレンダーを見つめながら鬼灯様は思案する。出かけられそうな日を探して下さっているのだろうか。


「あぁ今度、金魚草のお祭りがあるのでそれに…」


鬼灯様はそこまで口にしてから、はっと言葉を切る。そして私の顔を見て、申し訳なさそうに少し眉を垂らした。


「あ、なまえさんは興味ないですよね。すみません」


そう言うと鬼灯様は再びカレンダーへと視線を戻した。


「…行きたいです!」
「え?」


私は勢い良く、声を上げた。その声に鬼灯様は顔を上げる。


「鬼灯様の好きなものをもっと知りたいです。鬼灯様の事、知りたいんです」


そう、鬼灯様の好きな事を私も好きになりたい。鬼灯様の事をもっと知りたい。鬼灯様の事を好きな誰よりも、私は鬼灯様のことを知っていたい。
勢い任せで言葉を発してしまい、私はとても恥ずかしい事を言っていることに気づいた。


「あ、えっと…」


急に恥ずかしくなって、私は口ごもった。耳が熱くなってくるのが分かった。


「では、一緒に行きましょうか」


鬼灯様はペンを取ると、カレンダーの予定に私の名前を書き込んだ。私が一人で焦っていると、鬼灯様は私の頭に手を置いた。


「私の事、知ってくれるんでしょう?」


私の頭を一撫でしながら、鬼灯様は言う。


「だから、なまえさんの事も教えて下さい」


優しい、柔らかい顔で、鬼灯様は笑った。


「はい!」




鬼灯様の事がもっと知りたいのです。誰よりも、一番。そして私の事も知って下さい。





誰よりも一番、
あなたの傍に。

金魚草のこと勉強しなきゃ







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【なる様リクエスト】
今度の休みに一緒に出かけてください。

デートの話になってない(笑)鬼灯様はデートプランを念入りに立てるタイプだと思う。ちゃんとタイムテーブル作って行動する感じ。

リクエストありがとうございました!



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