※【白澤ver】続きですが、夢主を変更してお送りいたします。
白澤様は私のチョコを受け取って嬉しそうに、にっこりと微笑んでくれた。
「なまえちゃんからのチョコが欲しかったんだ。謝謝!」
「喜んでいただけたのなら…」
無邪気に喜ぶ白澤様が可愛らしくて、私も釣られて微笑む。
「ホワイトデーは期待しててね」
「お返し頂けるんですか?」
「もちろんだよ!」
お返しを貰えるなんて思っても見なかった。私は少し戸惑いながら、口を開く。
「えっとじゃぁ…」
私の発言を待つように白澤様は私の顔を覗き込んだ。
「デート…していただけませんか?」
「そんな事でいいの?」
私が勇気を振り絞って言った言葉に対して、ケロリと白澤様は答える。白澤様にとって女の子とデートなんて慣れたものなのだろう。しかし、私とは一度も出かけた事はない。
「はい。白澤様とお出かけしてみたくて」
「いいよ!いくらでも!」
白澤様は勢い良く私の両手を取った。嬉しそうに握られた手に、私は顔を赤くする。
手を、握られた。白澤様に…!
一人で動揺していると、白澤様は私の手を引いた。
「善は急げ、今からでも行こうか!」
「え?」
「なまえちゃん、もうお仕事ないでしょ」
「それはそうですが…」
私の手を引いて、白澤様は出入り口へと向かう。まだ日も高い時間。お店もまだ営業中だし、桃太郎さんは現在外出中。
それなのに今からとは、白澤様は意外に思いつきで行動するタイプの様だ。
「この時期はね、高天原の大きな桜の木が満開になるんだ。なまえちゃんのほっぺたみたいに薄ピンクで、綺麗だから…」
白澤様は私の手を離し、くるりと私に向き直ると人差し指で空に円を書く。細くて長い指がそのまま白澤様の頬へ辿り着く。
「ね、見に行こう」
頬に指を当て、可愛らしいポーズで白澤様は笑う。
「白澤様の頬もピンク色ですね」
「えっ!」
白澤様の頬が少しピンク色に染まっているのを私は見逃すことはなかった。白澤様は両手で頬を押さえ、はにかむ様に笑顔を作った。
「まいったな…なまえちゃんとデートできるのが嬉しくてさ」
「それって…」
白澤様は照れているのか、誤魔化す様に笑うと、また私の手を取って、そして引っ張った。私の引かれるままに白澤様の腕の中に収まった。
「…〜!!」
「なまえちゃんの事、好きだよ」
白澤様は静かに呟いた。
腕の中で、白澤様の鼓動の音が早くなるのが聞こえる。
「はい、私も、白澤様が大好きです」
私の心音と白澤様の心音が一つになって、まるで溶け合っていくかの様な不思議な感覚になる。
リズムよく波打つ鼓動が夢ではなく、現実だという事を告げている。
私は白澤様をそっと、抱き締め返した。
薄紅に染まる、
確かな恋心。
さ、お手をどうぞ
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【酉様リクエスト】
デートしてください
(主:口調が女の子らしい大人しいめの子)
で、デートに出かけてない、だと?←
白澤様に好きって言わせると胡散臭いですねって話です(※違います)
バレンタインの話なんで桜は早いんですが、天国なので(笑)まぁまぁ…
リクエストありがとうございました!