※【白澤ver】続き





「ちょっと寝室に来て」


私は白澤を手招きして白澤の寝室へと入る。白澤は私の後に続いて、部屋へと入ってきた。


「何?誘ってくれてるの?」
「違う…」


私は白澤のベッドへと腰掛けて、自分の座った隣をポンポンと叩き、白澤を呼ぶ。白澤はそれに習い、私の隣へと腰掛ける。


「はい、神獣姿になってよ」
「え?」
「いいからっ!」


戸惑う白澤に強く出れば、白澤は渋々と神獣の姿へと変わってく。白く長い、ふわふわの毛並み、胴には左右に3つの目、そして長い角が4本。あまり見ることのない、白澤本来の姿。


「…これでいい?」


いつもとは違う姿だが、声色はいつも通り。神獣の姿の白澤は見上げる程大きく、部屋の中では窮屈そうだった。


「ちょっとしゃがんで」


私は白澤の毛を少し掴んでグイグイと引っ張る。白澤は足を折り、伏せた状態になる。私はそのまま毛を掴み、白澤の背中へとよじ登る。


「ちょ…っ!なまえちゃん何…痛っ!目に…目に当たってる…!目がぁああ目がぁあ!!」
「うるさい」


登る途中に白澤の目に足が当たった様だったが、私は気にしない事にした。


「よしっと」
「あの…なまえちゃん?」


白澤の背中によじ登ると、私は白澤の毛並みを一撫でした。さらさらとしていて心地よい毛並みの下には確かに白澤の体温が感じられた。白澤はくすぐったいのか、少し身じろぎをした。
私はその白澤の背中に、ごろんと横になる。私が横になっても、落ちる事はない大きさだ。それはそうだろう、あの閻魔大王でさえ背中に乗れる程なのだから。


「もふもふの白澤の背中で寝てみたかったんだ。今日はこれで寝る」
「え!?いや、それはまずいって…!」
「おやすみ」
「…〜っ!」


私は白澤の反論を耳にすることなく、白澤の体温に身を任せ、目を閉じた。
確かな暖かさが伝わって来て、とても心地良かった。









「僕の身にもなってよね」


なまえちゃんの寝息が聞こえはじめ、僕は誰に言う訳でもなく、独り言を呟いた。なまえちゃんのチョコのお返しに、とお願いを聞いてあげたのだが、まさかこんな願いをされるとは。
僕は本来の姿の背中で寝ているなまえちゃんを思う。背中に確かに感じるなまえちゃんの体温と重さ。そして、うつ伏せに抱きつくように寝ているなまえちゃんの確かな胸の膨らみ。


「恥じらいをもっと持って欲しいよ」


どんなに慣れているとはいえ、僕は男だしなまえちゃんは女の子だ。まったく意識していないというのは嘘になる。
僕は、ゆっくりと神獣の姿から人の型へと戻っていく。なまえちゃんを落とさない様にゆっくりと。ぽすんと自分の腕の中になまえちゃんを収めれば、少し身じろぎをしたが、スヤスヤと寝息を立てている。


「明日は寝不足だね、これは…」


ドキドキと鼓動が早い。いつも、こんな近くで顔を見ようものなら鉄拳が飛んでくる。


「キス…ぐらいならいいかなぁ…」


無防備に寝息を立てるなまえちゃんの唇に、自分の唇を寄せる。ちゅっと唇が触れるとなまえちゃんは眉間に皺を寄せた。


「んー…」


しかし、すぐにその皺は消え、ふにゃりと笑う。寝ているため無意識とは言え、これにはさすがの僕でもやられた。


「あぁ〜!もう……!」


なまえちゃんを起こさないように、ぎゅっと抱きしめ直す。


「本当に自覚してよね」


僕はドキドキと早くなる鼓動の音を聞きながら、目を閉じた。早く朝になって、なまえちゃんが目を覚ますといい。そして、恥ずかしそうに笑ってよ。





この気持ちは、
恋だってこと。

君は、気づいてるのかな?







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【匿名様リクエスト】
神獣姿のもふもふした背中で寝てみたい

ヒロインの指定なかったので、そのまま極楽満月ヒロインで書かせて頂きましたが、大丈夫ですかね(笑)そして甘いシュチュ頂いたのにギャグ調wごめんなさい!
リクエストありがとうございました!






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