※【鬼灯ver】続き





「鬼灯様が欲しいです」
「え?」


欲しいものと問われ、私は無意識の内に言葉を発していた。鬼灯様の問いかけ直す声でハッと自分の発した言葉の意味を理解する。


「あ、いえ!何でもないです!忘れて下さい!!」


理解した途端、顔に熱が集中する。何と言う発言をしてしまったのか。チョコを受け取ってもらえただけでも十分なのに、お返しに鬼灯様を下さいだなんて…

私は頭の中が混乱していた。ぐるぐるとどうやって弁解するか、そればかりを考える。できることならこの場から一刻も早く立ち去りたい。


「いいですよ」
「へ?」


今度は私が聞き返す番だった。鬼灯様が私の肩に手を伸ばし、自分の体に抱き寄せる。私は不意の出来事で、体勢を保てず、鬼灯様の腕の中に倒れ込む様な形で収まった。
鬼灯様の暖かさが布越しに伝わり、心音が早くなる。ぎゅっと鬼灯様の手に力が入り、私の耳元にそっと唇を寄せた。


「私をなまえさんにあげます」


低い声で囁かれれば、ぞくりと背筋が震えた。


「ですが、なまえさんのチョコでは対価になりません」


鬼灯様は顔を上げて、私の目を見つめる。鬼灯様の真っ黒の瞳いっぱいに私が映し出されていた。


「だから、」


鬼灯様は一呼吸置くと、いつもの無表情ではなく、優しい顔になる。


「なまえさんをくれませんか?」


「は、い」


それはもう、条件反射の様に。頭が言葉を理解する前に、私は返事をしていた。
鬼灯様は満足そうに笑う。


「では、誓いの口づけを」


鬼灯様は私の唇に自分の唇を重ねた。ちゅっと軽いリップ音が、私を現実へと引き戻した。

私は驚いて目を見開くと、瞳から一筋、涙がこぼれ落ちる。

私は恥ずかしさのあまり、顔を伏せた。調度、鬼灯様の胸のあたりに顔を埋める形となった。



「大切にします、ずっと」





あなたと私の、
誓いを下さい。

好きです。愛してます。







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【百合様リクエスト】
鬼灯様で…
【椿様リクエスト】
鬼灯様が欲しいです


リクエスト来るとおもったよ!(良い笑顔)
凄い書きやすかったです。
最後の「大切にします、ずっと」はどちらの台詞なのか。それはなまえさん次第です。

リクエストありがとうございました!




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