「何してるの?」


小さな窓から暗闇が満ちた部屋に月明かりが差し込む。その光で輪郭を浮かび上がらせるのは、着物を纏わぬ、鬼灯。
小さな窓の外を見上げ、月を見ている。黒い髪が月の明かりに煌めいた。


「月は綺麗です」
「そだね、月が綺麗だね」


月明かりに浮かぶ鬼灯を背中から抱きしめ、白澤は鬼灯の首筋に顔を埋める。


「少し疲れました」
「?」


鬼灯は月を見上げたまま、ぽつりとつぶやいた。白澤は顔を上げることはなく、耳を傾けた。


「もう、何千年、あの場所に居るんでしょうね」


鬼灯は月を見上げながら、思い出すように話す。


「何だか疲れてしまいました」
「鬼灯が弱音なんて珍しい」
「月が綺麗だったから」


白澤は顔を上げて、さらに鬼灯を抱きしめる腕の力を強めた。そして、耳元で囁く。


「ねぇ、鬼灯」
「何ですか?」

「今日は、三日月だね」


鬼灯は一瞬、目を見開き、そして静かに瞳を閉じる。


「いいえ、満月ですよ」


鬼灯は静かに答え、白澤の頭に自分の頭を傾け寄り添わせる。


「白澤さん、ありがとうございます」
「……うん」


鬼灯の体温を感じながら、白澤も目を閉じる。





三日月









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「月は綺麗ですね」→あなたは嫌いですが
「月が綺麗だね」→あなたが好きです
「三日月だね」→かけおちしませんか

ついったからネタ拝借です。空気感だけで、思いつき書き殴り!駄文ですみません。

天国と地獄の遠距離恋愛も大変ですねぇ(笑)

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