新宿某所、折原臨也のマンション。

2階まで吹き抜けになっている1階部分、ソファーやテーブルなど高級そうな家具が並ぶ。
折原臨也の住居兼事務所には生活感があまりなく、殺風景だ。

その中に1つの違和感が生まれる。


「何してるの?なまえ」
「クリスマスツリーですよ?」


子供の背丈ほどありそうな、それなりの大きさの黒いツリーを飾り付けているのは折原臨也の助手兼彼女のなまえ。臨也が仕事から帰宅すると、部屋の中に突如ツリーが出現した。


「クリスマス?」
「この部屋が殺風景だから、季節感をだそうと思って」


臨也は楽しそうに飾りつけを続けるなまえの隣に立ち、まじまじとツリーを見つめた。


「高かったでしょ?」
「まぁ、微々たるものです」


貰っている給料からすれば微々たるものだろうが、こんなものをポンと買えるなまえの金銭感覚が大丈夫か心配になる。臨也も人の事は言えないが。

黒いツリーにはゴールドと赤のオーナメントがなまえの手によって飾られ、華やかさを増していく。


「何で黒にしたの?」
「臨也みたいだから」


なまえはそう言って、白い綿をぐるりとツリー巻き付け、「ほら」と笑って見せた。
その姿に少しだけ鼓動が早くなり、嬉しさが込み上げてくる。


「可愛い事、言うね」


飾り付けに夢中ななまえを、背中から抱きしめ耳元で囁く。なまえはくすぐったそうに笑って、手に持っていたモールを臨也の首ごと自分に巻き付けた。
そのまま臨也の顔が見えるようにもぞもぞと体勢を変える。


「クリスマス楽しみ!」
「期待しなよ」


ちゅっと軽く音を立てて臨也はなまえの唇に口づける。そして二人はお互いに笑いあった。




クリスマスツリー

早く魔法をかけてよ!






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愛を飾って、笑うのです。

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