平和な朝食の風景。人と朝食を取るなんていつぶりだろうか。
平和島静雄はぼんやりとそんな事を考えていた。
「お口に合いますか?」
「ああ、うまい」
ぼんやりとしていた静雄の顔を覗きながらなまえは問いかけた。
なまえは嬉しそうに照れ笑いし、自分の食事へと戻る。
「なぁ、今日暇か?」
「んへ?」
ご飯を一口、口に含んだ所で静雄に話しかけられなまえは間抜けな声を出してしまった。
「シーツ汚しちまったし、迷惑かけた礼に飯でも行かないか?」
「えっと……」
お礼と言われても…となまえは躊躇した。倒れていた人を助けるのは当然だと思ったからだ。
「忙しいか?」
「いや、学校も休みなので大丈夫ですけど…」
しかし、うまい理由が見つからず正直に答える。
それを聞くと静雄は頬を緩めにこりと笑った。
「じゃあ、決まりだな!昼に迎えに来るから準備しとけ」
ごちそうさま、と手を合わせて静雄は立ち上がり、食器を手早にまとめキッチンへと行ってしまった。
なまえはまだ半分ほどある自分の茶碗に視線を落とす。
「じゃあ、また。ありがとうな」
「…あ、はい」
そして静雄は帰っていった。
残されたなまえはぽかんと静雄が出ていったドアを見つめた。
意外に強引な彼の素顔
これってデートかな?
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