小説*白鬼白





外の畑から高麗人参を収穫する。いつもなら桃タロー君に頼むのだけど、彼は現在地獄のお供達に会いに行っている。
両手いっぱいに高麗人参を持ち、極楽満月へと戻ると、店の中に見知った背中が見えた。黒い着物の背中に鬼灯のマーク。その背中へと僕は声をかける。


「あ、鬼灯来てたの?」
「来てはいけなかったですか?」


僕に気づき鬼灯は振り返った。
何だか久しぶりに会う気がする。前に来たのはいつだったか。僕の言葉に少しむっとした声で鬼灯は返事を返してきた。


「いや、来てたなら声かければいいのに」
「貴方が気づくべきですよ。店に客が来たことに気づかない店員ほど、使えないものはない」
「あー…はいはい。すみませんね」


こいつは何故、一言も二言も多いのだろうか。僕は高麗人参を机の上に下ろし、両腕についた土埃を払う。あぁ、白衣が汚れてしまった。


「桃タロー君は帰ってこないから、ゆっくりしていきなよ。店ももう、終わりにする」


着替えるのも面倒なので、このまま店も終わりにする事にした。僕は白衣を脱いで鬼灯にお茶を用意した。鬼灯を椅子に座るよう促し、その向かい側に僕も座る。


「で、何か用でもあったの?」
「特にはありませんよ」


僕の入れたお茶をまじまじと見てから、鬼灯は口を付ける。そんなに警戒しなくても、変な薬は入れていない。


「珍しいじゃない。仕事は…サボりか」
「失礼ですね。ちゃんと休みです」
「そ」


そこで会話が終了してしまった。
僕は席を立ってソファーに移動し、鬼灯を呼んだ。


「鬼灯、ちょっと来て」


鬼灯はそれに素直に従い、僕の隣に座る。そしてソファーに座った鬼灯の足の上に僕は寝転がった。膝枕というやつだ。


「何して…!」
「いいじゃん、たまにはー」


ふふふと僕が鬼灯の顔を見上げて笑えば、恥ずかしそうに視線をそらされた。だから、僕の顔を見て欲しくて鬼灯に話しかける。


「今日は泊まっていくだろう?」
「泊まって欲しいのでしょう?」


鬼灯には僕の考えがお見通しの様で、当然とでも言いたげな顔で返されてしまった。僕の方が恥ずかしくなってしまう。


「まぁ、ね」
「素直に言えば良いじゃないですか」


鬼灯は顔を柔らかくして、言葉を濁した僕の唇に鬼灯は軽く口付ける。ちゅっと軽いリップ音に僕は少しくらくらした。久しぶりに、鬼灯の唇の感触。


「どうしました?」


ぼーっとしている僕に鬼灯は不思議そうに首を傾げた。


「いや、何でもないよ。それより…」


僕は笑って見せて、鬼灯の首に腕を回して耳に唇を寄せた。





もっとしてよ

唇が溶けちゃうぐらいにさ



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体勢に無理がある件^^
どうしよう、たのしいぃいいい!!!
うひゃひゃひゃ(*´д`*)




2011.12.06 (Tue) 22:14 (0)


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