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「…ようやく寝たか」

すぴー、と俺のベッドで寝ているベル坊。

つい先程まで元気良くじたばたと動き、夜泣きをしたりと大忙しだったからか、ベル坊の眠りは深そうだ。


「む。もう坊ちゃまは寝てしまわれたのか」

「お前が来るの遅ーんだよ」


いきなり部屋に現れたヒルダは俺の話は聞かずにスッとベル坊に寄る。
チッ、と舌打ちしながらもその様子を静かに目で追う。



「やはり坊ちゃまはかわいいな」

「…」


やっぱりコイツの目にはベル坊しか見えてないようで。
それが妙にムカつくのは何故だろうか。
最近は良くそんな感情が芽生えていて仕方がない。


「?どうかしたか?」


チラリと目を向けられ、ヒルダのエメラルドグリーンの瞳が真っ直ぐ俺をとらえている。
少し心臓がドクドクと速く波打った。



何だコレ?



「…病気か?」

「は?お前がか」

「俺だって人間なんだから病気ぐらいかかる」

「そいつは意外だな。だが風邪ではないと思うぞ」

「馬鹿と言いたいのか」

「良く分かったな」



ヒルダはフッと鼻で笑い、ベル坊から離れて俺に近づいた。
そしてコツン、と額を近づけた。


「ッ!」

「ふむ…熱はないと思うが…って顔赤ッ!」

「う、っせ!近づくな!」

無理矢理ヒルダを引き離して深呼吸をする。
どうやら俺の顔は赤いらしい
いきなり体が熱くなったからか?




よく分からない症状に困惑するがこれが恋と気付くまで、あと少し───…











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