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やってしまった


また失敗



うじうじして、すぐにテキパキできなくて失敗してしまった


自分一人のことならまだしも他の人に迷惑までかけてしまった




はあ、とため息をつきながらとぼとぼと池袋を歩く




「杏里?」






後ろからの声にピクリと反応した
私、そして罪歌が




「平和島…静雄さん」

「おう。…元気ねーな、どうした?」


ビクリと肩が揺れ動く



正直心配は嬉しいが聞いてほしくはなかったのだ

かといってまた言葉を発してうじうじする自分も嫌で…ただ下を向いた




まだ何分も経っていないだろうというのにもう1時間は下を向いてるんじゃないかと錯覚を覚える






これからどうしようかと頭で考えているとぽん、と頭を撫でられた



「え…」

「よくわかんねーけど…。…泣いてもいいんじゃねーか?俺でよければ顔を隠します、が…」



静雄さんの言葉をすべて聞く前に彼の胸に自身を埋めた



こんな風に甘えてよかったのだろうかと不意に我に返って静雄さんから離れようと思ったが優しく抱き締められてしばらく離れたくない錯覚に陥った



もう少し、このままで










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