「くっ、このっ…」
「はっこの俺に勝とうなんざ100年早い!」


男鹿と古市は男鹿の部屋でテレビゲームをして遊んでいる
有名な赤い帽子と緑の帽子が車に乗ってレースするアレである
男鹿は平然と、古市は顔をしかめたり青くしてコントローラーを振り回す

ゲームオーバーの表示で「くそー!!」と古市はコントローラーを投げる
「壊すなよ」と言いながら嫌みったらしく笑う男鹿とその背中にいるベル坊にイラッとしながらも古市は再戦を申し出た

「何だ、貴様らテレビゲームとは貧弱な」
「!ヒルダさん!!」
「おめーかよ」

それと同時に男鹿の部屋に入ってきたのはお茶とお菓子を持ってきたヒルダだった

「相変わらず美人ッスね…ぐぎゃふっ!!」
「抱きつこうとするな」

ゲシッと抱きつこうとしてきた古市の顔面に足蹴りをお見舞いするヒルダ
古市は「痛いですよ〜」、と笑いながら復活する
何だコイツ、Mなのか…そういやそうだったな、と男鹿とヒルダは自己完結して冷めた目で古市を見る

「な、何だよ二人して」
「いや」
「別に」
「わかんねーけど失礼なこと考えてたよな」
「まさか」
「ないない」
「棒読みじゃねーか!!シンクロしてるしな!」

軽くキレている古市をよそに男鹿はゲームをスタートし出す
それを見て、古市も急いでコントローラーを握った
ヒルダはその男鹿と古市の戦いをお茶を飲みながら眺めていた





「古市、お前弱いな」
「ヒルダさん、グサッときました」
「一周以上離れていたではないか」
「うっ…」
「まあでもよく考えればお前は一位だったよ」
「えっ、それは俺の頑張りが?それともヒルダさんの中で…」
「ワースト一位、おめでとう」
「うわああ!!ドSー!!」


喚き出した古市を女王のごとく見下して嘲笑するヒルダ
男鹿はその一部始終をただ眺めていた
何だ俺蚊帳の外じゃねーか、と仏頂面をしながら
ヒルダはいまだに古市いびり、唯一の救いであるベル坊はお昼寝に突入
ただ一人である男鹿はじとっと古市とヒルダを遠目で見ていた


いつまで俺を蚊帳の外にすんだよ、つかヒルダは一応俺の嫁だろ?古市め横取りか!略奪か!?二人とも近いんだよ、離れろ!!


「ヒルダさん、そんなに俺のこと嫌いなんですか」
「む、…嫌いだな」

半泣き古市に鉄槌を降すかのようなヒルダの言葉に古市はガンッと更に顔を暗くする
それを見たヒルダは悪魔のごとく笑い「まあ、」と言葉を繋げた

「今のは嘘だ。嫌いじゃないぞ?イジリがいがあって面白いからな」
「それ、喜んでいいんですか…」
「どちらかというと好きだが?」
「え、」
「な、なななー!?!?」


過剰に反応して大声をあげた男鹿にヒルダと古市は目を丸くする
男鹿は何だか焦っている様子で二人はますます驚いた顔をする


「お、男鹿…どうした?」
「頭がイカれてしまったのか?」
「なっ、だ、好っ…」
「なだす?何だそれは。古市」
「え、なだす?何それ」


真剣に考えるヒルダと古市に男鹿は「ヒルダ!」と叫んだ

「な、何だ驚くだろう!!」
「お前は…え、Mがいいのか…?」
「は!?」
「M、いや古市が好き、なのか!?」

真剣にヒルダを見つめる男鹿とそれに照れつつも「?」を頭に浮かべるヒルダ、そして「Mって俺かよ!」とツッコミを忘れて二人の光景をただ呆然と見る古市

「お、男鹿…?なんで古市?」
「だ、…す、好きって言ったじゃねーか」
「え?いや、言ったけどもアレは別に深い意味は──…」
「うるせー浮気者!!」
「浮気!?」


何が何なのか分からずヒルダは古市に助けを求めるものの古市は生暖かい目で二人を見つめていた


嫉妬=ベタ惚れの証拠
お前、ヒルダさんのこと大好きだな と再確認した古市だった




□□□□□
るき様
「男鹿ヒルで、ヒルダにこけにされる古市にヤキモチをやく男鹿」

このようなギャグ(?)になっちゃいましたがよろしかったでしょうか…(^^;
これは新しい感じがして書いてて楽しかったです★
素敵なリクエストをありがとうございました!!

るき様のみお持ち帰り自由です!!



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