シャッとカーテンが捲られ、太陽の日差しが顔に当たり反射的にキュッと目を強く瞑る

眩しい、まだ眠い…


そう思うなか、残酷にも布団をバッと自分から剥がされる
起きざるを得ない状況になり、不機嫌になりながらも上半身を起こす


「ようやく起きたか。おはよう」
「…はよ。…つか、無理矢理起こすんじゃねーよ。今日、日曜日だぞ」
「仮にも父親が何を言う。ね、坊っちゃま」
「だっ!」
「…一般的な親父が言いそうな台詞だったと思うが?」


目を擦りながら目の前で仁王立ちして自分を見下ろすヒルダを見定める
ヒルダはいつものゴスロリ服にお団子ヘアで腕にベル坊を抱えている


「ほら、さっさと歩かんか。お母様が朝食を用意してくださってるのだぞ!」
「あー、はいはい」

グイと腕を引っ張られていつものようにリビングへ向かう


「おはようございます。男鹿、起こしてきました」
「いつも悪いわねー、ヒルダちゃん」
「いえ」
「ほら辰巳!朝食食べちゃいなさい」


ベルちゃんだってもう起きてるんだから辰巳もしっかりしなさい、などと言う母親からの小言は右耳から左耳へ一方通行
椅子に座り、朝食へとありつく
横にはヒルダが哺乳瓶片手に座っていた


「さ、坊っちゃまもご飯でございますよ」
「だふっ」


ベル坊は哺乳瓶をくわえ、ゴクゴクとミルクを飲み出す
ヒルダはそれを愛しそうに眺めて微笑んでいる


「お前、ほんとベル坊好きだよな」
「もちろんだ。いつだって坊っちゃまは私の最優先すべき存在なのだから」
「…あっそ」
「何だ、妬いてるのか?」
「別に」


ただその一言を溢して朝食をがっつく
その明らかに動揺している姿をヒルダにクスクスと笑われる
あーくそ、と頭の中で悪態をつき、コツンとヒルダの頭を小突く


「何するんだ」
「…なんとなく」
「かまってちゃんか、お前は」
「うるせーよ、ニヤニヤして見んな。ベル坊も!」


ヒルダとベル坊にニヤつかれながら眺められ、少しだけ声をあげる
もちろん二人はそんなことにいちいち反応はしないのだが




「ごちそーさま」

朝食を食べ終わり、そう言って手を合わせる
すると「では、交代だな」とヒルダにベル坊と哺乳瓶を持たされ、「は?」と何とも間抜けな声を出してヒルダを見る



「おい、おま…母親代わりがそんなんでいいのか!!」
「父親だって子の面倒を見るものだろう?」
「っくそ、俺はやること……そう!ゲームする気だったのに…!」
「取って付けたようなことを真顔で言うな。そしてそれは全くもってする必要のないことだ」
「だあぶ!!」
「な…お前、ヒルダの味方かよ!!」


ヒルダは誇らしげな顔を見せてから母親の手伝いへと回った

その様子と自分の置かれた立場を把握してから「ったく」と息を吐いてベル坊をあやす

毎度の事ながら平和だな、なんて考えながら




ありふれた日常の一ページ

今日もまた何でもないページが増えていく







◆◆◆

男鹿ヒルほのぼの親子風景
でした。
やっぱりこの二人は夫婦って感じですからね♪
その表現が出ているかは…((-_-;))
ご不満ありましたらなんなりと!いつでも書き直し、手直し等させていただきます!!

ミロ様、この度は素敵なリクエストをありがとうございます!!ご希望通りになれていれば幸いです

このサイトに足を運んでいただき、ありがとうございました(^^)

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