しかし次の瞬間、目が覚めた。
目が覚めたということは、生きてるということ。
悠理は殆ど無傷で、病院のベッドに横たわっていた。
どういうことかと考えていると、病室にこわーい顔の大人が入って来て「あなたはエスパーに認定されました」と一言告げられる。
突然のことに「はい?」と戸惑いを隠せない悠理に、自称・政府から派遣された人が色々説明してくれる。
悠理が気を失っている間に撮ったESP用CTスキャン画像やらを見せられながら、事故が原因で脳内の超能力中枢と呼ばれる部分が活性化していて、その結果今の自分がエスパーという超感覚者となっていることを説明される。

何も腑に落ちないまま、一旦帰宅し、後日政府から派遣されたESP組織顧問から親と共に自宅でも説明を受ける。
自分の能力はサイコキネシスという、物理的に影響が出る能力らしい。
エスパー認定を受けたことにより、今まで通りの日常生活を送ることに条件が付けられた。

・普段はリミッターという制御装置をつけること。(自分で取り外すことは可能)
・能力を人前で決して使わないこと。
・定期的に政府のESP機関に来て、能力を制御する訓練を受けること。
・ESPに関する全ての事柄を、決して口外しないこと。
・特務エスパーの実働部隊に入隊すること。
・もしくは指定の住居で監視付きの生活を送ること。

悠理は特務エスパーになることに決める。
特務エスパーはエスパーが関わる事件、警察の力では鎮圧困難な事件、大規模な自然災害や人災が起きた際の救助活動、また政府の要人警護などを務める。
組織からのコールサインが鳴った時は、いつどこで何をしていても現場に急行しなければならない。
また、単独行動は許されず、チームを組まなければならない。

悠理の配属先は、実働部隊Aチーム。
訓練生上がりのテレポーターと、別チームから異動してきたサイコメトラーがチームメイト。

実際に3人で顔を合わせみると、優しくて社交的だがなんとなく胡散臭い笑みを貼り付ける椿原ハルカに、無口でしらんぷりを決め込む紙屋秋に、こんなチームどうすればいいんだと絶望する悠理。
だが、チームメイトとして時間を共有し、数々の事件をこなしていく中で悠理は二人の立場や人生、抱える思いについて知っていく。
果たして3人は日本最高の特務エスパーチームになることができるのか…。







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