1.







微笑み合った後、暫くはまた無言だった。

でも、前とは違って、少し打ち解けた感じがしたので、
それ程苦ではなかったけど。


まあ、それでも少し、早く喋らなくちゃという気負いを感じてしまってはいたんだけどね。



今までピリピリと感じていた警戒心?みたいなのは無くなっていて、
それだけでも私には嬉し過ぎる出来事で、
踊っちゃいたい位幸せだった。


「……………。」


ナルトは、私を見ながらいつまでも優しく笑ってくれていた。

もう襲っちゃいたい位に可愛くてやばかったけど、
何とか堪えて、私は変に座ったままだった身体を起こして、柱に凭れて優雅に座るナルトの目の前に座り直す。


あんなに長いことぐにっと変な方向に曲げていた割には、
痛くはならなかった足に、幼児でよかったと思った。




そう、私たちの外見年齢は2、3歳。

周りから静かに見つめ合うこの光景は変だろうなぁなんて、
呑気に考えてたら、


ナルトがふと、私の手を握った。



「……えっ、ナ、ナナナナっ、ナルトさん?」


どもったなんて分かってるよ。
いきなり憧れの人に手を掴まれたら誰だってこうなるよっ



私が余りにも慌てるので、ナルトはそれを見てふっ、と笑った。いや、笑いやがった……。


誰のせいだと思ってるんだコノヤロー。
イケメン過ぎだコノヤロー。



「………幼いな。」

「いやいや、同い年位だよね?」


「………。俺は一般より自我を持つのが早かったし、成長も早いんだ。」



「自慢かっ!私だって普通の幼児より大人だよーだ。」



私の手をまじまじ見ながら何を言うのかと思ったら……。

自分だってぷにぷにの手をしてるくせにー。



てか、自我を持つのが早かったって……
やっぱり九尾の影響なのかな?
何か頭も良さそうだぞ?
私の方が精神年齢低かったらどうしよう……。


ナルトは、はは、と小さく笑った後、私の手を離した。




「落ち着いてるな、……そう思って、変化してるのかと思ったんだ。
でも、違ったんでビックリした。」


ナルトが私の手を触った理由を淡々と説明してくれた。

変化だったら、チャクラの感じで解るんだって。
すごいね!漫画にはそんなのなかったのに。



まあ私の変化説が消えて、先程の幼い発言があったらしいけど。

やっぱり普通の幼児よりは大人びてるよねー。
しゃーない、中身は十二歳、中学生だもん。



ナルトに説明するべきかなあ?
うーん……。自分が居る世界が物語であるって、
あんまイイ気がしない気がするなあ・・・。

原作はまだまだ先だし、アカデミー卒業する頃まではあんまり描かれてないけど、
でも自分のその先からの未来が決まってるって、
知ってしまったらナルトのこれからの人生に悪影響を及ぼしそうだ。


う〜ん、前世?で、もういいか。
前世の記憶があります程度で終わらして話してた方がいいよね?

これから関わるにしても、その方が私も動きやすいだろうし。

あ、でもおばさんだって思われたらヤダな………。



う〜ん………。
私は何回うんうん言ったら結論が出るだろ。


うーん……。
あ、四回目。




そうこう私が悩んでいると、ナルトが段々落ち込んできた。



え?何で!?
てか落ち込んだ顔も可愛いっ
じゃあなくて、心配だよ?うん。




「な、ナルト?どうしたの…?」


「いや、なんでもな――――」
「――…いんだったらそんな顔をしないよね?
私に言えないことなのかな?
なら聞かないけど・・・。」




ナルトは明らかに悲しそうなのに、
何でもないなんて言い出してくるから、
私は、思わず少し強めな口調で言ってしまった。


やばい、ウザがられちゃうかなあ?
まだ会って間もないのにズカズカ踏み込んで来すぎだバカヤローとか思われてたらどうしよう………。



「………答えを、くれるか?」


「答えられるものなら、幾らでも。」



ナルトが恥ずかしそうに、何だか怯えた様に聞いてきた。

勿論、私はナルトには忠誠を誓う勢いだから、
何だって答えるつもりだけどね。
身長体重とか聞かれたらちょっと困る。
この身体のサイズは知らねーや。



「……その、先程は、何を考えていたんだ・・・?
何か、隠そうとしている事が、ある、のか……?」



恥じらう乙女のように、
薄く色付く頬っぺたで聞いてきたナルト。


何だが、外でガタッとかいう音が聞こえたけど、今は無視無視。


私はその放たれた内容よりもまず、ナルトのその様子にノックダウンでした。









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