4.
いつの間にか、寝てました。
まじのガチ寝。
気が付けば、どっぶり暗い夜の中。
備え付けられていた時計を見れば、もう夜中の二時を廻っていて……。
私、何時間寝てたんだろう………。
幼児の身体って、
なんでこんなに眠いのかなあ。
眠いと訴える身体を無理矢理起こして、
水分補給をしに、台所へ。
冷蔵庫の扉には勿論届かなくて、仕方なく水道水を飲む。
木の葉の水は、汚れた都会の水道水よりは、
大分美味しいかったけど。
都会っ子の私としては、
水道水を飲むのは些か抵抗があるのよね。
「……ふぅ、生き返る〜!」
カラカラだった喉も潤い、
ふと見上げれば月が見えた。
いつも見ていた月より、大きく輝く月。
うっとり眺めていると、
何だか黒い線が行き交っているのが見えた。
鳥かな〜?
何て、呑気に見続けていると、
1つの黒線が、水?みたいなのを撒き散らしながら墜ちていく。
「…………え?」
さすがに気になって、
私はサイズの合わないサンダルを履いて、
外へと飛び出した。
「・・・・確か、この辺だったような〜?」
見えた方向と、角度を確認しながら、
森のような場所を進んでいく。
「え〜…?結構近いと思ったんだけど、案外遠かったのかなあ?」
草の生い茂るなかを、短い足で分け進み、
墜ちていった何かを探す。
「ん〜?ないなぁっあでぁっ……!!」
ないないとキョロキョロとしながら進んでいたため、
私は草に隠れていた何かに躓いてしまった。
「あ〜っ、つぅ……。いったーい!なに!?!?」
足を触れば、にゅると生暖かい感触。
それが血だと気付くのは、月明かりが私を照らし始めてから。
「………わあを。」
切れたのかなあ?でも私、どこも痛くないけどなあ?
と、自己分析をしていたが、
段々と広がる月のスポットライトにより、血の元が現れる。
先程躓いた、ナニカ―――。
それは血に染まった小さな男の子だった。
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