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poisonous feel keenly




※R15指定(多分)







俺が彼の首筋に歯を立てたのは、好きとか嫌いとかそんな複雑な話じゃなくて、本能的なものだった。少なくとも俺は普段は人に噛み付くような常識の無い人間ではなかったはずだ。だのに、何故かあの時あの瞬間は俺の中の常識やら理性やらを忘れて、ごく自然に、呼吸をする感覚で噛み付いた。

噛み付かれた彼は心底驚いて、俺の体調を気遣った。俺も彼と同じくらい驚いたけど、後々考えてみたらアレは俺が生きていく上で必要な事だからやったのだと、まるで開き直るかのような清々しさで悟った。オプションとして頭がすっきりした。

あれから噛み付く事はなくなったにしても時々歯が痒くなるような錯覚に見舞われた。
別に彼の首でなくても良いんだろうけど、最初に噛み付いたのは彼の首であるからやっぱり二度目も彼に頼んで噛み付かせてもらおうと俺は一人で考えていた。



「神童、首に噛み付かせて」


「何言ってるんだお前は」


おかしくなっちゃったのか?

俺の肩を揺する彼は本気で心配している。そんな彼を冷めた目つきでしげしげ眺めて、それから視線は首元へ。

白くてつるつるしてて細くて折れそうな人間の急所。美味しそうとか不味そうとか、そんな風には思わないけど。噛みたい、とは思う。やっぱり俺はちょっとおかしいのかもしれないな。


彼の腕をぐいと引っ張って、反論の隙も与えず腰に手を回してがっちりホールド。
そのまま前のめりに倒れて彼を自分の下に組み敷くと咄嗟の事で状況が掴みきれていない彼の間抜けな顔が目の前にあった。
クスクス笑っていたら笑うなと怒られた。
これは失敬。


「霧野、どうしてそう噛みたがる?」

「…自分でも、よくわからない」

「…困った奴だな」


そうは言ったってこの衝動が収まる訳じゃないのだから困りモノなんだけど。そんなニュアンスの事を一息で言い放ってから、神童の首筋に舌を這わすと俺の下からあまり他人には聞かせられない声が上がった。


「霧野…舐め…っな、」

「もう我慢出来ないって」

「そ、な…ッや」


つつつ、首筋に沿って耳の後ろを丁寧に舐めてやるとんんっ、と身体を捩らせながら神童の耳が段々赤みを増す。
序でに顔も真っ赤に染まったので何となく、可愛いね、と口に出すと継ぎ接ぎだらけに紡がれた言葉は「そういう事言うな」と言っているようだった。


「……あれ?」

「は、ぁ…あ、あッ」

「神童、お前ちょっと、なに」

「ッやだ、ど、け…」


退けと言われても。この体勢じゃ神童も動けないし俺も動けないし。ていうか目の前に神童の首があるのに退ける訳ない。神童だって嫌がってるけど身体の方は全然。丁度俺の右膝があるとこ、何か硬いものが当たってんだけど。
これってまぁ…言わずもがな…だよね。
神童ってば淫乱だなぁどんだけ蓄めてんの。


含み笑いで尋ねると神童は右手で眼を隠してしまった。で、次には泣き出した。
面倒だったのでそのまま進める事にした。

こんな中途半端な状況で中断なんか出来る訳ないんだから下手な事考えずに最後までやった方が絶対良いに決まってる。

神童の苦しそうな吐息が凄く近くで感じる。可哀想だ楽にさせてやらないと。殆んど直感だったけど神童の弱そうなとこを重点的に攻め立ててみた。何処をどう攻めたかは言うと神童が可哀想なので想像に任せる。

初めの方は嫌だとか止めろとか随分な事を言ってくれちゃってたけど(勃ってるくせに)そのうち呂律が回らなくなってきていつの間にか声なんてだだ漏れだし善がってるし理性の欠片も感じられなくなってた。
こういうの滅茶苦茶って言うんだよな。

俺の下で喘いでる分には全然良いけどね。
がりり…、神童の首筋に思いっきり歯を立てて噛み付いてやった。尖った犬歯が首に跡を残して、そこから薄ら血が滲んだ。紅を舐め取ってそのまま神童に深くキスをすると。

勢いよく捻った水道みたく、神童のそれが欲を吐き出して俺の右膝をじんわり濡らす。
あ、しまった。ズボン下ろすの忘れてた。


「……ごめんね、神童」


「はっ、な、…たいッ、て」


「ズボン下ろすの忘れちゃってたよ」


だったら噛み付いた事に謝れよ、お前が噛み付きたいとか言うからこんな事になったんだから。途中途中で大きく息を吸ったり吐いたりしてたから上手く聞き取れやしなかったけれど、大体そんな事を言っていた。


「でもよかったでしょ?」


「っる、さ…」


「素直じゃないなぁ…」


もう一度首筋に噛み付くと今度は白い喉が思いっきり仰け反った。なんだよ、性感帯になっちゃってんじゃん。

次からは優しく噛んでやろうと思いました。



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