円堂に、触ってほしい。

いつもボールを撫でるあの指で、俺に触れてほしい。優しくなんかされなくていい。乱暴でもいいから。髪も耳も口も目も、俺の体のすべてを。他の奴に触らないで。他の奴に触られないで。円堂が触るのは俺だけでいい。俺のすべて触って、そして壊してもらえたら。円堂以外が触らないように。最後に俺に触れるのが円堂であるように。

俺に触るのが円堂だけであるように。

こんな醜い感情がどろどろと溢れてきて、自分の全身が黒く汚れていくような感覚に吐き気がする。自分じゃどうしようもなくて円堂にぶちまけると、円堂はいつも逃げも放り出しもせず、全部を受け入れてくれた。

「豪炎寺、」

「俺はお前に生きててほしいぞ」

困ったように笑う円堂。その言葉が今も俺をこの場に生かしているんだ。何度も飽きもせずにぶちまける俺に、円堂は毎回その言葉を言う。安易に釣られる俺は、とんだ馬鹿だろう。それでも。世辞でも円堂が俺に生きてほしいと望むなら、俺はどんな状態になっても生き延びよう。醜くとも、無様であろうとも。そして円堂が俺に死ねと言ったなら、俺はその場で命を絶つ。ただし、円堂に俺の命を絶ってもらう。
最後まで俺の生を感じて、そして死を感じてくれ。

円堂を好きになった俺の存在を体で覚えていてほしいから。

なぁ、その指で俺を壊してくれよ



片恋心中




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