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ビルファトライねた(BFT)






アドウさんはオールラウンダー

「ねぇ。アドウさんって一時期、吸血鬼とかバレーボールとか水泳とかバスケットとかカードゲームとか臣下とか野球してたって本当?」
「逆に訊くが誰がそんなデマ流すんだよ」
「だって違う世界線のアドウさんはそういう人だって兄さんが……」
「おいキジマァ!!」




サカイ・ミナトは友達が少ない

「スドウはーん! 暇やさかい、遊びに来たったでー!」
「お前頻繁に東京に来るが、もしかして大阪に友達が居ないわけじゃないだろうな。うちの部員が噂してるんだが」
「何でそうなるんや。ワイにだって心強ーいお仲間がぎょうさん居ますぅ」
「ビルドバスターズの面々は確か三年生だっただろう? 俺が言いたいのは同学年に、という意味でだな……」
「アンタワイのおかんやないし、そこまで口出しせんでもええやろ!」
「(論点のずれた反論……これは正解だろうな)」
「そ、そりゃあワイかて、話の合う奴が同じ学年におったらなぁと思うことはあるけど……」
「けど?」
「相性が絶望的に噛み合わへんのや」
「……ああ」
「同情する目やめて! 初心者にあれこれ話したかてドン引きされるだけやし、なまじできる奴と話すとどいつもこいつもロマンをわかっとらんのが多過ぎる! ガンプラは自由なんや! 常識に捕らわれない発想が肝なんや!」
「流石にトライオン3は初見でも二度見すると思うぞ……」
「別に意見が合わんのはしゃあない思うことはあるで。十人十色っちゅうしな。ただそないな奴に限って技術がお粗末やから……知識ばっか溜め込んでひけらかして、人の発想笑うんはアカン。ビルダーとかファイターとかやのうて、人としてアカンと思うわ」
「……同い年で、ガンプラに詳しく、ビルダーとしてもファイターとしても腕が立ち、且つ意見交換もできる……」
「スドウはん?」
「総合的に、グランプリホルダー……コウサカ・ユウマとが一番ウマが合うということじゃないのか?」
「絶ッッッ対にありえへんわ!!」




おテスト(セカイとユウマ)

「さて、世間では中間テストという学生生活における自己の学習した知識確認及び可視化を終えて一週間経ったわけだが……」
「ははー」
「返ってきた答案が軒並み30から50点なのは何でだ。温情で言い訳ぐらいは聞いてやる」
「いやぁ。テスト前日、息抜きがてら公園まで走ってたら、偶然イズナシモンと会ってさ。組み手してストレス発散してた」 (※イズナ君は弟に誇れる立派な兄で居るためテストの点はいいです)
「ふざけるなッ!! 自分の脳味噌のスカスカ具合を考えろ!! 危機感を持て!! 部員の成績が悪いと部活動停止になると散々言われたのを忘れたのか!?」
「似たようなこと姉ちゃんにも言われたぜ……」
「(ミ、ミライさんと一緒!? いや、それよりもミライさんに叱られる、だと……? 羨まゲフンゲフン)…お、同じことを家族のみならず、同学年の僕に言われていることに、少しは思うところがあってくれてもいいんだがな」
「? だってユウマは頭いいじゃんか。そりゃあ、俺が勉強苦手ってのもあるから余計にそう思うんだろうけど。馬鹿だとかって罵倒されても、ユウマは俺にそう言えるだけの学力があるって知ってるから、そんなに嫌な気分にはならないぜ?」
「(…………ハッ!? あ、危ない、すっかり懐柔されるところだった……)しかしどのテストも、筆記が全滅なわりに記号の選択問題は正答率が高いんだな。そういう部分にだけヤマを張ったのか?」
「いや? 鉛筆に記号書いて、こう、コロコローっと」
「ピンポイント学習かと褒めようとしたが運か!!!」
「ま、先輩に怒られるのも嫌だし、これ以上ユウマや姉ちゃん怒鳴らせるのも忍びないしなぁ。期末はちゃんとやるから! なっ!?」
「う……ま、まぁ、きちんとやっておかないと困るのは自分だと理解しているのならいい。……僕も、少しぐらいなら、勉強を見てやらないことも、ない」
「マジ!?」
「あくまで部の活動維持と、ミライさんに迷惑をかけないために、だ」
「へへっ、十分! ありがとな!」
「……ああ」
「そうと決まったらテストの見直しだな! あとは教科毎の予習復習と、授業によっちゃ宿題とか小テストとか……よろしくなユウマ!!」
「そこまで面倒を見るとは言ってない!!」




2015/06/26