SSS | ナノ

6月にまつわるエトセトラA






ジャンル混同でオムニバス



(ナオキとコーリン)

「(降っちゃったわね……確率は半々だったから晴れる方に賭けたのだけど。レッカが来るまで待とうかしら……)」


「おーいコーリン!」


「ナオキじゃない。何、アンタも傘忘れたの?」


「そこまで馬鹿じゃねーよ!折り畳みぐらい持ってきてるっつーの!つうか小茂井にも似たようなこと言われたんだけど!」


「悪かったわね」


「お前は?」


「見ての通りよ」


「ふーん…………じゃあこれ使えよ」


「は?でもそれじゃあアンタが濡れるじゃない」


「そこまで本降りじゃねーし大丈夫だろ。ほら」


「あっ、ちょアンタねぇ……!」


「じゃあなコーリン!風邪ひくなよ!」


「……全く、それはこっちの台詞だわ」





(凌牙と小鳥)

「シャークは雨好き?」


「何だよ藪から棒に」


「だってデッキが水属性中心だから海が好きなのかなぁって。で、そこから発展して雨はどうなのかなぁって思ったの」


「別にそこまで海が好きなわけじゃねえよ。気付いたらこれがしっくり来てただけだ」


「じゃあ無意識に気に入ってるのかもね」


「…女ってこう、理由づけすんの好きだよな」


「観察結果だと思ってよ。あとそれ璃緒さんの前でも言えるの?」


「………………」


「(あ、黙った)」


「……じゃあよ」


「なぁに?」


「そういう観察結果が出るってことは、お前が俺をずっと見てたって取ってもいいわけか?」


「………………」


「(黙りやがった)」





(檜山と番長組とバン)

「こんにちは、レックス!」


「おや、今日はバンか」


「?」


「ああいやな、いつもだったらどっかの番長さん達が扉をぶち破る勢いで来るもんだから、つい身構えちまっただけだ」


「郷田と仙道なら居るよ?」


「は?」


「こんにちは!」


「邪魔するよ」


「………餓鬼が三人に増えて何の用だ?」


「はいこれ」


「何だこの包み」


「もうレックスってば、今日は父の日でしょ!」


「……はぁっ!?」


「素っ頓狂な声上げないでくれるかい」


「あ、あぁ悪い……いやいや俺は何も悪くないぞこれ。第一父の日がなんだ、俺はお前達の父親じゃないぞ」


「父さんがレックスにも世話になったんだから渡してこいって!」


「そんなバンに便乗して」


「癪だけど右に同じく」


「(全くあの人は……)……はぁ。仕方ない、貰っといてやる。ありがとな」





(櫂と光定)

「流れとはいえ荷物と傘を持たせてしまってすまない。客人にさせるべきではないな」


「僕だって何もせずに食事だけご馳走になるだなんて図々しいことにならなくてよかったと思ってるんだ、気にしないで」


「……だからといってこれは」


「あはは…だって櫂君その……」


「お前より背が低いから、仕方がないと?」


「お、怒らないでよ!」


「……逆ならばよかった」


「でも櫂君に傘を持ってもらうなんて……」


「イメージできないと?」


「ああもうだから怒らないでってば!」


「……メニュー変更だ」


「えっ、特製胡麻ダレ冷やし中華と鰹のマリネ風サラダじゃないの!?」


「あんな言動をかますお前の言い分を俺が聞くと思うか?」


「酷い……」


「何も食えないものを作るわけじゃない」


「うー……で、結局メニューはどうなるんだい?」


「カレーだ」





(レンとアサカ)

「トロイア戦争に、百年戦争」


「あの……」


「オーストリア継承戦争に伊能忠敬」


「レン様?」


「庚午事変にー義和団にー」


「あのっ、レン様っ!」


「どうしましたアサカ?」


「先程から何を仰っているのですか?最初の方は聞いたことがありますが……」


「んふふ、秘密です。どうしてもというなら調べてみるといいですよ……あ、」


「どうなさいました?」


「それとジューンブライドもでしたね」


「ジュ、……(ジューンブライドって確か六月の花嫁よね?まさかレン様、気になるお相手がいらっしゃったりするのかしら……)」


「ええ、ジューンブライドもです。それと最後に」


「何ですか?」


「肝心なことを言い忘れていました。お誕生日おめでとうございます、アサカ」


「えっあっ、ありがとうございます!!(レン様からお祝いのお言葉を頂けるなんて!幸せ…っ!)」


「(アサカは気づいているんでしょうかねぇ……)」







レン様の台詞の単語の日付けを調べるときっと幸せになれるはず(間違っていないと信じたい)




2013/06/19