大人気☆青道高校野球部の皆さんにインタビュ→
「っつー企画な訳なんで、まぁ皆さんご協力お願いしますね」
「遊夜ちゃん、これ何か放送部の特集とちょっと被ってない?」
「亮さんそこはお気になさらず」
「まぁ俺は気にしないけどね」
新聞部1年のあたしが何でこんな大がかりな仕事任されちゃったかと、ゆ、う、と!!
実はお兄ちゃんがあたしと入れ違いで卒業した青道の野球部(しかもレギュラー)だったから、2、3年の皆さんとはあたしも仲良しなのです。
良い人ばっかりだけど、正直変な人ばっかりっす。うげ。
まぁかっこいい人も多いんで、もちろん大人気。どこから聞いたのかあたしがみんなと知り合いだという情報を仕入れた新聞部部長に、一仕事頼まれちゃったってわけです。
「亮さんに質問でーす!好みのタイプはどんなですかー?」
「そうだな、いじめても泣きながらめげずに這い出てくる子かな」
「…はい?」
「年上のSそうなお姉さんの泣きそうな顔とかたまんないよね」
……この人変態だ。
「遊夜ちゃん試してみる?」
「えええ遠慮しときまーす!次ーーーーーーー!」
「さて安心の増子さん。好きなタイプはどんなですかー?」
「プリン」
「…いや、人でお願いします」
「プリン作るのが上手い人だ!」
どんだけプリン好きなんだこの人は。プリン命か。
「…じゃあ凄ーくおいしいプリン1つくれる人と、普通においしいプリン10個くれる人どっちがいいですか?」
「うがっ」
「………」
「うーん……」
「はい、次いきます」
「乙女のミカタ純さん!好みのタイプはどんなですかー?」
「好みぃ?そりゃ、好きになった人が好みだろ」
「わぉ!さすが少女漫画の王道な感じできましたね!」
「ううううるせぇよ!」
「でもそれじゃつまんないんで、もうちょっとガチな答えください」
「何じゃそりゃ!」
「具体的な感じで、どぞ」
「…三歩下がってついてきてくれる感じで薄化粧で働き者で足首なんかこんな細くて基本綺麗だけどたまに可愛くなったりする子っているじゃねーか」
「いねーよ」
「……」
「すいませんつい。次いきまーす!」
「来ましたキャプテン哲さん!好みのタイプどんなですかー?」
「一つ目はそうだな…」
「一つ目!?」
「白くなさすぎず少し黒くて、こう、みんなから回ってきた感じがとてもいいな」
「ま、まわ…!?」
「二つ目は、絶対に他じゃ代わりがきかなくて、中にいれているとすごく落ち着く感じだな」
「な、なかにいれ…!?」
「三つ目は、いつでも一緒にいたいがさすがにそれは叶わず、しかし毎晩俺と汗を流してくれる…」
「毎晩…汗…!?」
「木製よりも金属だ」
……ん?
「哲さんそれバットの話ですか?」
「ん?あぁ、ボール、グローブ、ときてバットだ」
「…紛らわしっ!てか答えになってないし!もう!次いきます!」
「二年生きちゃいましたー!倉持先輩好みのタイプはどんなですかー?」
「巨乳」
「は?」
「だから、巨乳」
「…今のでファンがごっそり減りましたよ」
「ヒャハ!遊夜がファンでいてくれるだけで構わねーぜ!」
「あたしファンじゃないですけど」
「つれないこと言うなよ!遊夜は胸はちと足りないんだけどよー」
「……」
「いって!おま、みぞおち…っ」
「んじゃ次いきます」
「来たくなかったけど来ました、御幸先輩の好みのタイプどうぞー」
「何その興味なさそうな感じ」
「興味ないですもん」
「まったまた照れちゃってー」
「うざい。ほら早く言って下さい」
「えーとね、髪はセミロングでー」
「はぁ」
「背は高くも低くもなくてー」
「はぁ」
「年は1個下でー」
「…はぁ」
「新聞部でー」
「……」
「今俺の目の前にいる人!」
そう言って、御幸先輩はあたしにガバーと抱きついてきた。
「ちょ、離してください!」
「遊夜ちゃん顔真っ赤」
「こ、これは違…」
「遊夜ちゃんの好きなタイプは?」
「えっ」
「好きなタイプはー?」
「……ナルシストで自身過剰でメガネでキャッチャーな御幸一也」
「好きなタイプが俺なんだ?」
「…悪いですか」
「ぜーんぜん!遊夜好き大好きちょー可愛い好き好き愛してるー」
(結局御幸に落ちるんだね)
(うが)
(納得いかねーなぁオラァ!)
(どういう経緯だ?)
(ヒャハ、遊夜御幸のどこがいい訳)
(…実はメガネフェチなんです)
(えっそこだったの!?)