「ムダな四死球出しすぎだよなー」
「安易にカウント稼ぎにいかないところがいいとこじゃん」
「強気と無謀は違うからな」
「でも最近御幸の打率は明らかに上がってるよね」
「あ、やっぱ知ってた?」
「そらあたしが書いてるからね」
「この倉持の内野安打、相手のエラーになってるけど」
「それ礼ちゃんがエラーでいいって」
「はっはっはっ」
「…オイ」
「ねー御幸見てこれ」
「改めて見るとまだまだ全体的に打線が繋がってねーよなー」
「…オイ、お前ら」
「でも徐々に上がってる感はあるよ?スコア書いてて思うもん」
「このまま突っ走るしかねーよ」
「オイっつってんだろーがコラ、御幸、遊夜!!」
「もー何よ倉持うるさい」
「何よじゃねーよここ俺の部屋!いちゃつくなら御幸の部屋行け!」
「別にいちゃついてないよねー」
「一緒にスコア見てただけだもんな」
御幸が胡座をかいて座っている上にちょこんとのっかっているあたし。
で、あたしの肩に御幸が顎を置いて、二人でスコアブックを見ていた。
マネージャーとキャッチャーの仕事です。
「その体制やめろ!こっちが恥ずかしいんだよ!」
「洋ちゃん細かい事気にしなーい」
「その呼び方もやめろ!」
「じゃあ洋ちゃんがあたしと一緒にスコアみる?」
おいで、と言ってぽんぽんと自分の膝の上を叩くと倉持は赤くなった。
「倉持って元ヤンのくせに可愛いよね」
「コラコラ遊夜、あんまからかってやるな」
「みゆっきー」
「それに倉持なんかを膝の上にのせるなんて俺が許しません」
「何でー別に彼氏じゃないじゃん」
「…もうお前らさっさと付き合えよ」
「だって、どーする遊夜?」
「じゃ、付き合う?」
「そーすっか」
「もーまじでヤだ、お前ら…」
(何でこの部屋ですんだよ!)
(決まってんじゃん、ね?御幸)
(決まってるよなぁ、遊夜)
(な、何だよ)
((倉持いじめんの楽しいから))
(…まじでお前らうぜぇ)
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御幸バージョン。
これは付き合ってなかった系。
倉持いじめたかっただけ(笑)