「りょーうすけ!おはよ!」
「おはよ遊夜、元気だね」
「ねぇ今日なんの日か知ってる?」
「文化の日」
「違うよそれしあさって!分かって言ってるでしょー」
「はいはい、ハロウィンでしょ」
「そーなの!お菓子ちょーだい」
「……」
「お菓子ちょーだい」
「…お菓子くれなきゃ悪戯するぞ、じゃないんだ?」
「悪戯したくないもんお菓子ほしーんだもん」
「……」
らんらんと目を輝かせて亮介を見ていると、ため息をつかれた。なんで。
「分かった、あげるから」
「ほんと?」
そして亮介はあたしに、
キスした。
…って、
「辛いーーーーっ!!」
急な味にあたしはびっくりして亮介を突き飛ばし、唇が離れる。
「もぉ、亮介!」
「遊夜がお菓子ほしいって言ったんじゃん」
「あたしが辛いの無理なの、知ってるくせに!」
意地悪!と叫ぶと、相変わらずニコニコ笑われた。絶対楽しんでる。
「もっかいしてあげようか?」
「それ口から出して、うがいしてきてくれたら」
「…どれだけ辛いの嫌なの」
「亮介のキスは大好きだよ?」
「…あ、そう」
「あれ、照れた?」
「うるさいよ?遊夜」
珍しく少し顔を赤くした亮介は、あたしにまたキスをした。
ミントガム
(だから辛いってーーー!もう亮介とはキスしない!)
(遊夜、それ耐えれるの?)
(…う)
(俺は別にいいけど)
(…やだ、耐えらんない)
(はいはい、ほんと可愛いねお前)