妹に欲しいな

「亮くんのバカー!」
「誰かバカだって?」

こ…恐い、恐いよ小湊亮介先輩。あたしの大好きなひと。

「だって…亮くん今あの子のこと…」
「あぁ、妹に欲しいなって言ったけど?」

ガーン。音声が出てしまうほどあたしはショックを受けた。あたしと亮くんはいわゆる幼なじみ。春市と同い年のあたしは亮くんを追いかけて青道に入学した。それなのにそれなのに亮くんはあたしという妹(もどき)がいながら、あたしのクラスで1番可愛い子を「妹にほしい」と言ったのだ。

「何で亮くーんあたしじゃ何がたりない!?」
「そうだなー胸かな」
「亮くんの変態ー!!」
「誰が変態だって?」

大魔王、ぼそっと心のなかでだけ呟いた。胸が小さいのは認めるよ…けど嫌だよ。他の子が良いなんて言われたら、あたしもう亮くんに必要ないの?恋人になれないなら妹でいるしかないって何年前に考えたんだろう。2個の差をおっきいよ…妹としてならずっと一緒にいられると思ったのに

「何泣いてんの遊夜」
「だって…あたしもういらないんでしょう?」
「はい?」
「あたしなんて使い捨てカイロみたいに捨てられちゃうんだー!」

わんわん泣き出したあたしはもう止まらない。亮くんは不可解な顔であたしを見つめる。いや、いや、亮くんと離れたくなんかないよ。

「うるさいよ?遊夜」
「りょ…えっ」

顔をあげた途端、亮くんにギュッと抱きしめられた。あたしの頭は亮くんの肩にのっていた。いやいや亮くんここ廊下。

「わかってる?遊夜は妹じゃないよ」
「……うぅ…っ」
「だって妹だったら近親相姦になるもん」
「え」

きんしんそーかん?ってあれだよね、兄妹とかで恋人になる…
あたしが妹だったら近親相姦になるってことはあたしは恋人なの?ねぇ亮くんそういうこと?

「亮くん……好き」
「兄として?」
「恋人として好き」
「俺も恋人として遊夜のことが好きだよ」
「…亮くーんっ!」

あんなにショックだった亮くんのあの子への『妹に欲しいな』発言に今では大感謝です♪だって、亮くんの恋人になれたんだもの。



























(亮くんだいすきー)
(亮くんてやめようか)
(ん?亮介っ)
(…生意気な遊夜なんて許さないよ?)
(亮くん照れてるっ)

確かに恋だった
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