※ハロウィンネタ 狼だの魔女だの悪魔だの... 女ってのはイベントに全力だなぁ 授業の終わった教室内で騒ぐ女子たちを思い出す。本日の日付は10月の最終日、つまりはハロウィンである そんなクラスの女子らが、イベントに合った格好でお決まりの台詞を言い合う姿を見て、心底尊敬した。菓子ごときでよくまぁそこまでやるぜ。まぁ、その気合いの入った格好で、サスケに群がるあたり菓子が目的ってわけじゃねぇんだろうがよ ちなみに、我が親友は誰彼構わずトリックオアトリートと叫んでいました。楽しそうで何よりだぜ 仮装、お菓子、悪戯 これだけ魅惑的な要素が詰まっているのに何故、ときめかないのか 良くも悪くもおれが左右される原因はただ一つ 「............ななしー、」 脳内に浮かべる彼女の再現は実物と寸分の狂いはない。あぁほんとななしかわいい 笑顔から泣き顔から何まで愛おしい、のだが、あいにくおれの脳内メモリーに『仮装したななし』はいない 彼女はハロウィンというイベントに参加したことがないのだ .........いや、まったくねぇわけじゃねぇけどよ、それは菓子を配る立場であって仮装はしてねぇんだよ ななしの菓子が食えることは嬉しい。しかしおれは菓子ではなくななしが食いたいのだ。あれ?何か話ちがくねぇ? 間違えた、仮装したななしが見てぇんだよ 魔女の姿をした彼女に悶えたい。悪魔の姿をした彼女を泣かせたい。狼の姿をした彼女をこちらから襲いたい ...あぁやべぇ、腰が疼いてくるわ 妄想だけでこうもテンションが高ぶるが、毎年毎年期待を裏切られているため若干の虚しさに襲われる。しかしだからといってななしに会わない理由になどならないため、今日も元気にななし宅のドアを開けた 「ななしー、入るぜー」 「はいはーい!こんにちはー」 「おー」 さて、今年の菓子はなんだろうか。そう思いながらななしに視線を向け、 「今年はクッキーです。味見もしたから多分食べれる味だよー」 おれの動きは止まった クッキーを片手にこちらに駆け寄ってくるななし。頬を赤らめ、照れながら渡してくる彼女の頭部を、おれは見つめた 癖のある彼女の髪の上にあるのは、いつもは使われていない赤いカチューシャが。それだけでも十分かわいいのだが、 「いやぁ、まじまじと見られると、その...照れちゃうね」 あははー、と言いながらカチューシャに付いているそれを摘まむ。テープで止めただけの今にも取れそうなそれは、三角形の二枚の紙 「............ねこ?」 「あ、わかった?即席ですが...仮装をしてみましたー」 「..................」 「.........えー、と」 ただでさえキャラじゃないことをしているのに、おれが何の反応を示さないせいかななしの顔が真っ赤に染まっていく。きっと「引かれた」など思い後悔しているのだろうが...んなわけねーだろこちとら胸が締め付けられるどころじゃねぇ、爆発する。なんだこの目の前の生き物は クラスの女子らの気合いの入った仮装、つい先ほどまでおれが想像していたななしの仮装姿、どちらともかけ離れてはいるが、 「...............に、にゃおーん...」 「........................」 「なんちゃっ、て...ははは、って、ぅわぁ!!?」 所詮本物が一番かわいい、興奮する、ってなわけでありまして とりあえず、小さく鳴くこの猫を、おれは我慢出来ずに抱き締めたのであった ああ゛ぁ゛ぁあもう!! ハロウィン万歳!!!! 焼き付ける
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