会いたい。会いたい。今すぐ会いたい。でも会えない。会いたいのに、会えない


チクショー、なんでだよ


ガラリと窓を開ければ、満たされたのは嗅覚のみ。どうやらあいつは外出中らしい

今回が初めてではない。こういうことは、たまにあった


会いたくて、
だけどお互いに忙しいから、会えなくて

でも、おれは我慢できなくなって


家に押し掛ける


そしていないとわかると、無性に泣きたくなるのだ。今だって泣きたい

それを堪えるために彼女の匂いいっぱいのベッドにうつ伏せに倒れた



いつもならそれで我慢出来るのに、


「…………ななし、」


あー、ダメだ。もう、ダメだ。今回は、本当に無理だ

枕に顔を押し付け堪えようとする。しかし止まらない彼女への想い



はやく、はやく
はやく会いてぇよ

はやく、はやく
はやく抱き締めてぇよ



はやく、はやく、はやく






「……はやく、」


おれのもんに、してぇんだよ





焦がれる