ミッション1、男の抹殺


「ミッションスタート!」

「「ラジャー!」」



「…ミッション阻止!」

「「「うわぁあ!!」」」


最近持ち歩くようになった縄を素早く巻きつける。身動きがとれなくなった三人の子供たちは、自分たちを縛った人物に抗議をする


「ちょっと先生なにすんのよ!」

「いやいやいや?君たちこそなにしようとしたのかな」

「第十班緊急ミッション、男の抹殺」

「目がマジ過ぎる。お願い止めて」


マジに決まってんだろ

これ以上の緊急事態があるかよ


お世辞でも良いとは言えない目付きを更に鋭くし、対象の男を睨みつけるのはシカマル。一度は潰したはずの野郎が、再び彼女に近づく。この状況にシカマルは過去最大の怒りを覚えていた

それだけではない、自分とは違いつぼみと同い年らしい男。どんなに頑張っても縮まらない彼女との差。解決できないその問題を楽々解決させている目の前の男が


「…心の底から、憎いぃ…!!」


ミシミシと悲鳴を上げる縄。その様子に縛った人物であるアスマは、恐怖から後ずさった。オメェは人間なのか!?本当におれと同じ人間なのか!?

今にも縄を引きちぎりそうな彼に「がんばれー!」と、応援を始めるチョウジといの。君たちはわかっていない。この縄が切れた瞬間、モンスターが解き放たれるんだぞ…!?

きっと被害は木ノ葉は全域に及ぶ。いや、大袈裟とかじゃなくて、この状態のこいつだったら本当にやる…!!


木ノ葉の運命は、彼を縛る縄に託されていた







「ズンダくん、ちゃんと前見てないと…」

「うおぉ…!!?」


緊張からか周りをよく見ていなかったズンダ。向かい側から来ていた通行人にぶつかりそうになる。咄嗟に身体を捻って避けようとするもバランスを崩してしまい、隣のつぼみの方へ倒れてしまった


「お、坊主たちすまんな!」

「あ、いえ、こちらこそ」



「ぁ…う、ぅ……!!」

「ズンダくん、大丈夫?」

「だ、大丈夫に決まってんだろ!!!」


近付いた互いの距離。直ぐに離れれば問題はなかったのだが、突然のことで思考が停止してしまった彼はその距離の保ったままだ


そしてここで








ブチリ


「………なんだその、ラブコメ的展開はぁぁぁああ!!!」

「シカマルが切れたわ!」

「いやぁぁああ!!縄も切れたぁぁあ!!!」

「二つの意味で切れちゃったねー」


縄先輩終了のお知らせ、今までお疲れさまでした

ブチ切れ絶好調の彼を、代わりにアスマが止めなければいけなくなってしまった。結果は行動を起こす前から見えてはいるが、忍なら、男ならやらねばならないときがある。まさに今がそのときだ





「さぁて、どう苦しめてやろうか…!」


ミンチ?リンチ?

あぁ、全裸で道端にでも捨ててやるのもいいなぁ…





「先生、ここに悪魔がいまーす」

「先生、シカマルの笑顔がスッゴイことになってるよー」

「先生、ここから消えていいかな?」





標的はもちろん、あのエロ男だ

だが、その前に


「きっかけ作った通行人Aの毛という毛をむしってやらねぇと…」


クツクツと笑いを溢す悪魔が一匹。いつ手にいれたのか、いつも持っているのかわからない剃刀を持ちながら一歩一歩足を進めていった





「…じゃあ、先生逝ってくるから、後のことはよろしくな」

「うん、がんばってね」

「靴はしっかり揃えなきゃダメよー」


猿飛アスマ、逝ってきまーす!!!



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