「なぁ少年!君は焼きそばに紅しょうがは外せない派か?それとも豪華に目玉焼きか?あぁ、マヨネーズもいいよなぁ!」

「普通のでいいよ、普通ので」

「ならマヨネーズか!」

「どうしてそれを選んじゃったの」

「うまいぞ!」

「あのねぇお父さん、うまい不味いの話じゃなくて…」

「…………ナルト」

「「え?」」



おれ、タロウでも少年でも男の子でもなくて

うずまきナルト、っていう名前だってばよ



「……おじさんたちは、なんて名前?」


箸を片手に呟くナルト。二人は目を合わせ、そして彼に向き合った


「すまんすまん!自己紹介もなにもしてなかったな!

おれは草花サンだ!」

「私はつぼみだよ」



あ、ねぇねぇ、ナルトくん


……なんだってば?


「やっぱ焼きそばには、紅しょうがだよねぇ」

「そこにマヨネーズ、」

「は、いらない」

「目玉焼きは?」

「……半熟がいいデス」

「よし任せろ!」


父さん、半熟目玉焼きは得意だぞ!そう言って台所に行くおじさんの背中を見つめた


どうしておれはこの人たちとご飯を食べているのか

どうしてこの人たちはおれをご飯に誘ったのか


どうしてこの人たちはおれをいじめないのか


どれもこれもよくわからないけど


「ナルトくーん、今さらだけどナルトくんって焼きそば嫌いじゃないよね?」

「うん。あ、でも」

「でも?」

「一番好きなのは、ラーメンだってば」





おれ、おれ…おれ、

今めちゃくちゃ嬉しいから、わかんなくたって別にいいや



「お父さーん!焼きそばじゃなくてラーメンに変更してー!」

「えっ!?」



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