『シカマルくんみたいに縛ってくれればいいのに』


家に帰ってからも、つぼみのこの台詞が頭の中を駆け回る


おれみたいに、

つまりそれは、





「…おそろい」


ボーッと鏡に映る自分を見つめ、呟く。小さな手で頬を触れれば、いつもより温かい気がした


今までのつぼみも

今日のつぼみも

どっちも好きだ


でも、もし

もし本当に明日、おれと同じ髪型になってたら


死ぬほど嬉しい


想像しただけで嬉し涙が出そうだったシカマル。実際そうなったら確実に泣いてしまうだろう

両頬を押さえながら、もう一度鏡に視線を向けた。そこには顔の赤い、可愛らしい男の子と









「…………んっ?どうしたシカマル」

「…………………」


誰がどう見ても親子とわかるぐらいそっくりな、彼の父親が映っていた

シカマルが頬に置いていた手を離すと、もうそこに赤みはない


不思議そうに自分の息子を見るシカク。シカマルはゆっくりと振り向き、父親を見上げる


「おやじ、」

「ん?」













「………明日から、髪結ぶの、なし」

「……はぁ?」


いきなりどうした。不機嫌そうな顔で小さく呟く息子。訳がまったくわからないが、そのあと更に小さく呟かれた「つーか、禿げろ」という台詞に、シカクは泣いた。両手で顔を覆いながら、静かに泣いた





「………つぼみとおそろいは、おれだけでいいんだよ」



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